内容説明
この著書の目的はいくつかある。その一つは、日本人が日本人の立場で町人・農民を含む議会制デモクラシーについて最初に主張し、幕末期の駐日英国公使H・パークスを驚ろかしめた『藩論』の思想を広く普及させること、次に、『藩論』の思想がその後の反権力思想、つまり、「自由民権思想」と「明治社会主義思想」のなかで強い生命力をもっていたことを明白にすること、第三に、その検証によって、これまで主張されてきた、兆民を中心とする自由民権思想がフランス啓蒙思想の直輸入であるという説を覆すこと、最後に、以上の作業を通して、近代日本の反権力思想を体系的に再構築することである。
目次
1 『藩論』について
2 英文“Fuku Ko Ron”と“Han Ron”―英国外務省公文書館の資料を中心に
3 『藩論』の理念と自由民権思想―枝盛と兆民を中心に
4 自由民権から明治社会主義―秋水を中心に
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