出版社内容情報
ぜん息や花粉症、アトピーといったアレルギーの罹患率はこの半世紀の間に急増し、アレルギーを引き起こす食物や物質の種類も増え続けている。その要因は、食生活・住環境の過剰な無菌化・人工化による人体の免疫システムの弱体化である。世界の環境問題に取り組んできた名ジャーナリストが著名な科学者たちに取材を重ね、微生物との共生・生物多様性の保護を訴える警告の書。
【目次】
序 論
喘息、枯草熱などの小史
アレルギー問題
アレルギー症状の爆発──二〇世紀の謎
生物多様性が公衆衛生の支柱とならねばならない
〈自立的科学者〉への賛辞
第1章 細菌が世界をつくる
病原菌となる一四〇〇種の微生物
ビール酵母からワクチンへ
微生物は生命の起源である
共生の専門家との出会い
樹木と牛──微生物はどこにでもいる
第2章 細菌と人間
人間の細菌叢
大腸の細菌部隊
生命誕生の最初の一〇〇〇日が重要
微生物遺伝子と第二の脳
予告された災厄のクロニクル──〈抗生物質の冬〉
第3章 カレリアのアレルギー研究
ウィトルウィウス的人体図
謎と探偵の誕生
衛生仮説と〈鉄のカーテンの僥倖〉
比類なき生きた実験場
〈大いなる加速化時代〉
第4章 生物多様性仮説
チョウチョウとアレルギーの関係
衛生仮説から生物多様性仮説へ
幼少期の重要性
微生物は過剰な炎症を予防する
農場の埃は素晴らしい!
第5章 〈農場効果〉
ベルリンの壁崩壊後の〈始動〉
〈農場効果〉の起源
農場の子どものマットレスの微生物
エンドトキシンの不思議な役割
耐性の習得
第6章 〈牧場研究〉
一〇〇〇人の赤ん坊を二〇年間追跡調査する
異例の研究
牛小屋のカビの予防効果
出生前の曝露は予防力を強化する
後成的効果とは……
第7章 ヨーロッパの伝統的農場とアーミッシュの恩恵
多くの効能を有する農場牛乳
〈コンテチーズを朝昼晩!〉
腸内細菌叢の決定的役割
反対運動を引き起こしたパラダイムチェンジ
行政当局の〈矛盾した指令〉と農産物加工業界からの攻撃
〈アーミッシュがわれわれに道を指し示す〉
工業型農場にはいかなる予防体制もない──フッター派との比較
アーミッシュの埃と糞便はアレルギーを予防する<
内容説明
除菌しすぎていませんか?花粉症や喘息、アトピーなどのアレルギー罹患率はこの半世紀の間に急増し、アレルギーを引き起こす食品や物質も増え続けている。その原因のひとつは、食生活・住環境の過剰な無菌化・人工化による人体の免疫システムの弱体化だ。世界の環境・食品問題に取り組んできた名ジャーナリストが著名な科学者たちに取材を重ね、細菌との共生と生物多様性の保護を訴える!
目次
序論
第1章 細菌が世界をつくる
第2章 細菌と人間
第3章 カレリアのアレルギー研究
第4章 生物多様性仮説
第5章 〈農場効果〉
第6章 〈牧場研究〉
第7章 ヨーロッパの伝統的農場とアーミッシュの恩恵
第8章 腸管寄生虫の役割
第9章 生物多様性が新型コロナ感染症から人間を守る
第10章 細菌叢、肥満症、感染症
第11章 細菌は地球の健康に寄与する
著者等紹介
ロバン,マリー=モニク[ロバン,マリーモニク] [Robin,Marie‐Monique]
1960年、フランス・旧ポワトゥー=シャラント地域圏ドゥ=セーブルの農家に生まれる。ドイツ・ザールラント大学とフランス・ストラスブール大学で学び、CAPA通信社を経てフリー・ジャーナリスト。1995年、映画Voleurs d’yeux(眼球泥棒たち)でアルベール・ロンドル賞受賞。2003年、映画Escadrons de la mort,l’´ecole fran〓aise(死の部隊、フランスの軍事演習)でフランス上院年間最優秀政治ドキュメンタリー賞、国際ドキュメンタリー映画祭FIGRA優秀研究賞などを受賞
杉村昌昭[スギムラマサアキ]
1945年生まれ。龍谷大学名誉教授。フランス文学・現代思想専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 洋書
- John Woman