出版社内容情報
建国から改革開放を経て、習近平体制下のネット社会にいたるまで、共産党一党支配のなかで政治家や官僚、企業家の犯罪や不正行為が絶えない中国。社会の隅々で、膨大な腐敗事案はなぜ発生し、どんな力学で蔓延してきたのか。そして法令・紀律違反の摘発や告発(反腐敗)は、体制側によってどう利用されてきたのか。超大国のはらむ重大な国家的問題に深く多面的に切り込む最新共同研究の成果。
内容説明
国家的問題の核心に迫る。建国から改革開放を経て、習近平体制下のネット社会にいたるまで、共産党一党支配のなかで政治家や官僚、企業家の犯罪や不正行為が絶えない中国。社会の隅々で、膨大な腐敗事案はなぜ発生し、どんな力学で蔓延してきたのか。そして法令・紀律違反の摘発や告発(反腐敗)は、体制側によってどう利用されてきたのか。超大国のはらむ重大な国家的問題に深く多面的に切り込む最新共同研究の成果。
目次
腐敗学序説―なぜ今腐敗学か?
1 腐敗観―どのように捉えるか(腐敗学から“中国”腐敗学へ―パラドックスを超えて;権力社会と汚職のサイクル的構造;『アモイ日報』掲載記事にみる体制改革派・習近平の横顔―アモイ時代の反腐敗、開放政策、政治・経済改革)
2 反腐敗(摘発、通報)―どのように捕まえるか(比較の視座からみた中国の腐敗の特質―高官落馬と「帯病提抜」(腐敗潜伏しながら出世)
中央巡視組「回頭看」―第一期習近平政権の巡視制度と幹部管理政策の新展開
網絡反腐―ネット時代の「曇花」か「利器」か)
3 腐敗空間―どこで起きているのか(「微腐敗」対策―農村における腐敗空間の生成と行方;選挙における腐敗と中国共産党の支配―選挙制度にある「曖昧な空間」の利用;国共内戦下の末端幹部腐敗と建国後における都市行政のあり方)
4 腐敗磁場―何が起きているのか(対外援助と腐敗―日本のODA腐敗経験から見た“一帯一路:廉潔之路”;幹部「四化」方針下の学歴腐敗;中国建築業界における利益分配構造と「腐敗」・「搾取」の背景―「包工頭」の役割を中心に)
5 中国腐敗をどう捉えるべきか(中国における法紀型権力濫用―その変容と含意;脱構築される習近平の反腐敗政策―「親清な新型政商関係」の構築をめぐる政治過程;プーチン期のロシアにおける汚職と反汚職―中国との比較を手がかりとして)
権・圏・銭―“中国”腐敗学から腐敗学へ
著者等紹介
菱田雅晴[ヒシダマサハル]
法政大学・名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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