出版社内容情報
1920年代から30年代にかけてこの国のマルクス派を二分して闘われた〈日本資本主義論争〉とは、政治の文体あるいは物語をめぐる衝突であった。再生産論、革命論、国家論、そして天皇制──中断され、閉じられた論争の鍵概念をいまいちど現代思想の方法論的雑踏のなかに差し戻し、資本の〈内部─外部〉を分析する諸論考のもとに新たな言説装置として再構築する試み。
内容説明
一九二〇年代から一九三〇年代にかけてこの国のマルクス派を二分して闘われた日本資本主義論争とは、政治の“文体”あるいは“物語”をめぐる衝突であった。中断され閉じられた論争をいまいちど現代思想の雑踏へと差し戻す。
目次
はじめに―方法の問題と「論争」の始点
1 再領土化装置としての国家―再生産される「外部‐他者」(危機・恐慌と植民地主義―併合される外部;新たな歴史学と「論争」の死角―抹消される外部;被差別部落という装置と原国家―側置される外部;「女性」の不在と「惨苦の茅屋」―嵌入する外部)
2 脱領土化装置としての資本―再生産する「内部‐自己」(「論争」の理論的地平―再生産論批判の観点から;「古来もの」と残滓―「論争」の「時政学」的再措定;資本‐主義の“鹵獲‐捕獲”装置―資本と天皇‐制)
3 「論争」の予‐後―批評と史料(革命の代補―日本資本主義と「近代の超克」;“歴史的なこと”の寓喩―「論争」の国際的再措定のために)
著者等紹介
長原豊[ナガハラユタカ]
法政大学経済学部教授
ウォーカー,ギャヴィン[ウォーカー,ギャヴィン] [Walker,Gavin]
マギル大学歴史学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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