出版社内容情報
イスラエル建国に至る政治過程で決定的な役割を果たしたアメリカのシオニズム運動を検証し、パレスチナ問題の新たな視角を提示する。ユダヤ人国家・イスラエルによるパレスチナ人への暴力は苛烈の度を増しつづけている。19世紀末より1948年の
イスラエル建国に至る政治過程において決定的な役割を果たしたアメリカは、個人の自由・民主主義というその国
家理念に反する民族共存なきユダヤ人国家建設をなぜ支持したのか。アメリカ・シオニズム運動におけるネーショ
ンとアイデンティティの錯綜を検証し、パレスチナ問題の新たな視角を提示する。
池田 有日子[]
内容説明
1948年のイスラエル建国に至る政治過程において決定的な役割を果たしたアメリカは、民主主義・民族自決の理念に反するユダヤ人国家建設をなぜ支持しえたのか。系譜学的アプローチによりパレスチナ問題の根源に迫る。アメリカ人であり、ユダヤ人であり、シオニストであることの孕む矛盾のなかでイスラエル建国を実現したアメリカ・シオニスト運動の全容。
目次
序章 ユダヤ人問題、パレスチナ問題、国民国家(問題の所在;本書のアプローチ)
第1部 アメリカ・シオニスト運動の成立―ルイス・ブランダイスを中心として(アメリカ・シオニスト運動の開始;ブランダイスと「アメリカ」・シオニスト運動の形成;アメリカ・シオニスト運動とパレスチナ・ユダヤ・ナショナル・ホーム)
第2部 アメリカ・シオニスト運動と「パレスチナ」(アメリカ・シオニスト運動とパレスチナ・アラブ人;アラブの大蜂起・パレスチナ分割案・パレスチナ・アラブ人の「移住」)
第3部 アメリカにおける「パレスチナにおけるユダヤ・コモンウェルス建設」というアジェンダ形成・確定をめぐる権力過程(アメリカ・シオニスト運動における「ユダヤ人国家建設」「ユダヤ軍創設」というアジェンダをめぐる権力過程;ビルトモア会議;一九四三年アメリカ・ユダヤ人会議―アメリカ・シオニストの「団結」からアメリカ・ユダヤ人の「団結」へ)
イスラエルの建国とパレスチナ問題の発生
著者等紹介
池田有日子[イケダユカコ]
1970年生まれ。九州大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。政治学専攻。現在、専修大学社会科学研究所客員研究員、九州大学法学部非常勤講師、熊本大学法学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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