出版社内容情報
1918年の成立から38年のドイツ第三帝国への併合に至るまでの,オーストリア第一共和国国民議会の政治的経験のプロセスと思想・理論の位相を精細に追究する。
内容説明
ハプスブルク帝国の解体によって1918年に成立したオーストリア第一共和国は、君主制を廃し、議院内閣制を採用するものの、やがて議会政治への不信の拡大から独特の反議会体制の成立を許し、1938年ヒトラーの支配するドイツ第三帝国に併合されるに至る。本書は、その20年間に及ぶ国民議会を中心とする対立抗争の政治過程を究明しつつ、憲法上の制度問題、およびケルゼンやシュパンらの政治理論の内実を合わせ検討する。第一共和国の政治的経験と諸理論、その試練の歴史を解明して、現代の議会政治に鋭く問いかける。
目次
序 問題提起と展望
第1章 オーストリア革命と議会・憲法
第2章 オーストリア政治の諸条件
第3章 共和国二〇年代の争点と理論
第4章 国民議会の危機から停止へ
第5章 オーストリア・シュテンディズム
結び 第三帝国ガウ=オストマルク
著者等紹介
細井保[ホソイタモツ]
1967年生まれ。1997年法政大学大学院社会科学研究科政治学専攻博士課程修了。政治学博士。現在、法政大学法学部第2教養部兼任講師
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