出版社内容情報
帝国による覇権と植民地主義の下に近代を経験した日本と中国と韓国。過去の対立を乗り越えた「新しい記憶」を各国の人々が共有することで、和解に根差した平和な東アジア共同体へ活路が見出せるのではないか。その手段として著者は、地域・国・人が交わるトランスナショナル・ヒストリーを提唱する。李栄薫『反日種族主義』と対峙し、韓国史界をリードしてきた第一人者による入門書。詳細な訳者解説付。
内容説明
戦争をしない戦後にこだわり続けるために。支配/被支配の一国史を乗り越え、トランスナショナル・ヒストリーに基づく〈記憶の場〉をいかに創造するか。万宝山事件や平和憲法を事例に提示する。
目次
なぜ、東アジアなのか?
第1部 トランスナショナル・ヒストリーと植民地近代(方法論としての東アジア史―トランスナショナル・ヒストリーと東アジア史;認識論としての東アジア史―「植民地近代」、あるいは近代を見る眼)
第2部 帝国と東アジア(帝国と近代国家;トランスナショナルな東アジアと韓国)
第3部 東アジアと韓国(東アジアにおける植民主義と韓国;トランスナショナルな韓国史)
第4部 東アジアの記憶と平和(東アジアの記憶を作る方法;「平和憲法」と東アジアの平和)
冷戦と東アジア
著者等紹介
尹海東[ユンヘドン]
1959年、大韓民国大邱市生まれ。ソウル大学校人文大学国史学科卒業、同大学院博士課程修了。博士(韓国近代史)。現在、漢陽大学校招聘教授。韓国近代史と東アジア史、メタヒストリーなどをおもに研究してきた。現在は平和と生態を中心とした融合人文学研究に関心を持つ
市村繁和[イチムラシゲカズ]
1968年、東京都生まれ。韓国外国語大学国際地域大学院韓国学科博士課程修了。博士(韓国学)。翻訳家、独立研究者。ポストコロニアル状況における日韓の社会文化とその交差、日韓連帯史に関心を持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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