内容説明
裸体を野蛮とみなし、「文化」を押しつけた西洋。被植民者がそれを受容したかどうかは装いに反映される。自分とは何者かを表明する手段、衣服の歴史をたどる。
目次
序論
衣服の規制
旧世界の衣服改革
最初の植民地主義
衣服の製造、保管、流通
ヨーロッパの輸出
正しき心でお召し替え―キリスト教の布教と衣服
身体の再編、精神の改革
植民地ナショナリズムの衣服
衣服の解放
衣服の受容と拒否
結論
著者等紹介
ロス,ロバート[ロス,ロバート] [Ross,Robert J.]
1949年、ロンドン生まれ。1974年、ケンブリッジで博士号を取得。1976年以降、オランダのライデン大学に勤務。現在は同大学歴史研究所教授。専門は、植民地期の南アフリカ史
平田雅博[ヒラタマサヒロ]
青山学院大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
リョウ・アズナブル大佐
0
前読んだ「胡椒〜暴虐の世界史〜」的な歴史本は長くて翻訳がめんどくさいけど良書が多いのが特徴。長い歴史があって「ヨーロッパ式の衣服を着る」っていう事が特定の政治的、産業的理由による所が大きかったって事はわかった。結論づけられてるけど、衣服の役割は「慎み、装飾、保護」とあって最初の2つがその中でも重要だと思う。その昔自らの家族の近代性を表す唯一の方法だったから。未来はまた服装じゃない形でグローバリゼーションするんだろうな。そーいや今自分が日本人であるっていうわかり易いアイデンティティはなんだろ。。2016/10/27
Masako3
0
★☆☆ どうして各国元首は画一的なスーツ、欧州由来の伝統服を着るようになったのか、を世界的な規模で記述する力作。和蘭陀の歴史学者による。要は、産業革命による大量生産が可能となった欧米列強が、場合によっては強要し、様々なケースを経て受容してきた歴史なのだ。日本はそれらに憧れ、トップダウンで自ら変更した特徴を持つ。2016/06/11