内容説明
なぜテロに走るのか。「人種差別と原理主義がどちらも他者を抽象物に還元することで生を枯らすのであれば、文化が力を注ぐべきは他者を生かし続けることである」。移民の子供たちがイスラム原理主義に傾倒する背景を、痛ましいほどの皮膚感覚で受け止め、神学や思想の言葉ではなく、現代の郊外を生きる人間の言葉で表現する。
目次
1 言葉と爆弾
2 虹のしるし
3 ブラック・アルバム
4 まさにこの道
5 俺の子が狂信者
6 ブラッドフォード
7 セックスと世俗文化
8 困難な対話を続けよう
9 文化のカーニバル
著者等紹介
クレイシ,ハニフ[クレイシ,ハニフ] [Kureishi,Hanif]
1954年、ロンドン郊外のブロムリーに生まれる。父はインドのボンベイ(現在のムンバイ)生まれの移民でパキスタン大使館で働き、イングランド人の母は製陶所で絵師として働いていた。ロンドンのキングズ・カレッジに入学。作家になる夢を抱いていたが、大学では哲学を専攻する。卒業を待たずにロイヤルコート劇場の案内係として働きはじめる。1976年に自作の『熱を吸い込む』が上演され、劇作家としてデビュー。1990年には『郊外のブッダ』で小説家デビューを果たす
武田将明[タケダマサアキ]
1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科准教授。デフォーとスウィフトを中心に研究すると同時に日本とイギリスの現代文学についての評論活動も行う。「囲われない批評―東浩紀と中原昌也」(『群像』2008年6月号)で群像新人文学賞(評論部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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