目次
第1章 “場”の力―ケア行為という発想を超えて
第2章 名付けられぬものとしての「介助」―障害の親をもつ子どものリアリティ
第3章 アイデンティティを保ち作るケア―若年認知症の人の新しい社会関係と自己への移行をめぐって
第4章 受ける側からみる「介護」―ホームヘルプサービスを利用する高齢者の語りから
第5章 遠距離介護と同居問題―「なぜ?」はどのように語られるのか
第6章 悲しむ主体としての看護師―遺族ケアの手前で考えるべきこと
第7章 未決の問いとしてのがん告知―その後を生きる患者の語りから
第8章 死にゆこうとする身体のために―応答としてのケアとその臨界
著者等紹介
三井さよ[ミツイサヨ]
1973年生まれ。現在、法政大学社会学部准教授
鈴木智之[スズキトモユキ]
1962年生まれ。現在、法政大学社会学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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amanon
1
一通り読んだ後目にしたタイトルが、まさに新たなリアリティをもって映ることに驚かされた。「はじめに」で触れられているように、一口にケアといっても、その状況や文脈で様々な意味を持ちうる。そのリアリティを追究したため、本書の内容は必然的に多岐にわたることになる。個人的にとりわけ身につまされたのは、患者の死を体験した看護師を扱った章だったか。一般的にはケアル側と認識されがちな、看護師だが、患者の死と向き合うことによって、少なからず傷つき、しかも従来の慣習から、その悲しみを癒す機会がないという現実は非常に重い。2017/06/01