内容説明
ルイス・キャロルが創造した少女アリスは、その誕生から今日まで、挿絵画家や翻訳者たちによってどのように描かれてきたか。原作のノンセンス世界を見事に解釈・構築したテニエルの挿画や、明治以降の日本の翻訳・翻案作品に現れた多様な少女像を、アリス図像研究の第一人者が初めて詳細に比較分析した労作、図版多数!
目次
第1部 キャロルの内と外なるアリス(キャロルと二つの『アリス』物語;挿絵画家キャロルとテニエル―『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』)
第2部 オリエントと『アリス』(オリエントと『アリス』;初期『アリス』翻案と翻訳(一八九九‐一九一二)
大正児童雑誌における『アリス』邦訳
一九二〇年から一九三三年の『アリス』翻訳)
エピローグ 現在のアリス
著者等紹介
千森幹子[チモリミキコ]
帝京大学外国語学部教授。英国イーストアングリア大学大学院で博士号(Ph.D.)を取得。大阪明浄女子短期大学講師・助教授、ケンブリッジ大学クレアホール学寮客員フェロー、山梨県立大学国際政策学部教授を経て、2014年から現職。専門領域は18世紀~19世紀イギリス小説、日英比較文学、図像研究、翻訳研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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保山ひャン
2
第一部「キャロルの内と外なるアリス」では、ルイス・キャロルと、アリス、ジョン・テニエルについて。本書の目玉は第二部「オリエントと『アリス』」で、日本でアリスがどう受容されてきたかが研究されている。初山滋画の幻の『不思議國のアリス』、『アリス物語』『子供の夢』『お正月お伽噺』『愛ちゃんの夢物語』、雑誌『赤い鳥』における「地中の世界」、『鏡國めぐり』『ふしぎなお庭まりちゃんの夢の國旅行』、棟方志功の「アリス」などが取り上げられている。翻訳、挿絵のバリエーションが楽しめた。この1冊がまさに夢の國旅行。2015/09/06
散文的思考者にも詩情を
1
少女固有の感受性や少女的な視点とは一体何なのか、定義が曖昧で正体が掴めなかった。筆者もまた少女幻想にとらわれているのであろう。彼女の中の少女型意識に反するものを、男性幻想として忌み嫌う。2018/10/19
ふゆ
0
自分の中では、やっぱり、原本(英語本)でテニエルの挿画がいちばん!2015/09/18
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