内容説明
『水滸伝』では石の下に封印されていた星の化身たちが解き放たれ、『西遊記』では孫悟空が石から生まれ、『紅楼夢』では天界で女神に見捨てられた石が人間界に下る。すべては石から始まるのだ。別名『石頭記』=「石の物語」とも呼ばれる『紅楼夢』を織りなすテクスト相関性―古代からの石伝説やテクストが時をこえて協奏し、いま“石の物語”として、新たな物語論、テクスト論、フィクション論を創造する。
目次
第1章 テクスト相関性と解釈
第2章 石の神話辞典(意味論的考察;女〓(か)と石 ほか)
第3章 石と玉―虚構性から道徳性まで(聖なる豊穣の石;美玉 ほか)
第4章 石の物語―矛盾と制約の諸問題(矛盾と制約の諸問題;通霊石と頑石―神知をもつ石と無知な石 ほか)
第5章 欲と空のパラドクス―テクスト相関のなかの石猿(好色な猿―中国とインドからの引用;民間伝承の石の過渡性 ほか)
第6章 文字を刻んだ石碑
著者等紹介
ジンワン[ジンワン]
マサチューセッツ工科大学教授。マサチューセッツ大学アマースト校で比較文学研究によりPh.Dを取得後、デューク大学で中国語中国文学を担当した後、2001年よりMITで中国文化研究・比較メディア研究の教授を務める
廣瀬玲子[ヒロセレイコ]
専修大学文学部教授。専門は中国文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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