出版社内容情報
「本が焼かれるところでは、いずれ人も焼かれるのです」。ベルリンのベーベル広場にある、ナチス・ドイツの焚書追悼記念碑に刻まれたこの言葉は、ハイネの初期戯曲『アルマンゾル』(1823)に登場する台詞として知られる。15世紀末、レコンキスタ後のグラナダを舞台に、イスラム教徒の青年アルマンゾルと、キリスト教徒の恋人スレイマに生じた悲劇。マラーノの系譜に連なるユダヤ人詩人ハイネの現代性がいま甦る。
内容説明
1500年頃、レコンキスタ終結後のスペイン、グラナダ。イスラム教徒の青年アルマンゾルは、イベリア半島を逃れてモロッコへ渡りアラビアを目指すが、愛するスレイマとの再会を願い、故郷へひとり戻ってくる。荒廃した屋敷で従者ハッサンと邂逅し、追放か改宗かを迫られたムーア人の惨状を聞かされる…。マラーノの系譜に連なるユダヤ人詩人ハイネの現代性がいま甦る。
著者等紹介
ハイネ,ハイリンヒ[ハイネ,ハイリンヒ] [Heine,Heinrich]
ドイツの詩人、作家。1797年にデュッセルドルフのユダヤ人家庭に生まれ、のちにプロテスタントに改宗した。初期の代表作である詩集『歌の本』の詩は、シューベルトやシューマンなどが作曲した歌曲としても広く知られる。三大詩集として、そのほかに『新詩集』と『ロマンツェーロ』がある。ハイネの詩には甘美な恋愛や美しい自然を歌う抒情性と、それに耽溺せずに一歩引いたユーモアと皮肉を含んだまなざしが同居し、その批判的精神ゆえに最後のロマン主義者であると同時に最初の現代的詩人とも評される。1856年に死去した
今本幸平[イマモトコウヘイ]
津市立三重短期大学准教授。1975年生まれ。2006年に関西大学大学院文学研究科ドイツ文学専攻博士課程後期課程修了。博士(文学)。関西大学、京都教育大学、三重短期大学などの非常勤講師を経て2018年より現職。研究分野は19世紀ドイツ文学。ヴィルヘルム・ミュラーとハインリヒ・ハイネの作品を中心に研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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nightowl