人類最期の日々(普及版)〈下〉 (普及版)

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  • サイズ B6判/ページ数 371p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784588490354
  • NDC分類 942
  • Cコード C0097

出版社内容情報

泥沼と化す第一次大戦、そして高まる緊張と破局の予感――。今こそ必読、人類終焉の痛烈な諷刺劇! 訳者渾身の書き下ろし解説。19世紀末ウィーンに生まれ、たった一人で闘った男がいた──。2000人の聴衆を虜にし、3万人の読者を惹きつけた孤高の諷刺家クラウスが第一次世界大戦を描いた大著『人類最期の日々』完結篇では、泥沼のような戦争が進行する中で緊張と破局の予感が高まっていく。映し出される時代の姿は、21世紀を迎えた今、人類が直面している悲劇のモデルであり続けている。上巻に続き、訳者渾身の書き下ろし解説!

第四幕

第五幕

エピローグ

訳 注

右の耳 左の耳――下巻のための解説

カール・クラウス[クラウス カール]
1874-1936年。オーストリアの批評家、諷刺家、詩人、劇作家。20代で個人誌を発刊。鋭敏な言語感覚によりジャーナリズムの用語、措辞をとらえ、モラルの腐敗、社会的欺瞞を糾弾。第一次世界大戦に際しては戦時特有の言葉を証拠物件として、悪の集合体としての巨大悲劇『人類最期の日々』を完成。ナチズムの台頭をいち早く『第三のワルプルギスの夜』として痛烈に断罪した。代表作はほかに言語批判の集大成である『言葉』など。戦後、特異な言語思想家としての再評価が始まった。

池内 紀[イケウチ オサム]
池内 紀(いけうち おさむ)
1940年、兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者・エッセイスト。主な著書に、『ことばの哲学――関口存男のこと』(青土社、2010年)、『恩地孝四郎――一つの伝記』(幻戯書房、2012年)、『戦争よりも本がいい』(講談社、2014年)、『カール・クラウス――闇にひとつ炬火あり』(講談社、2015年)など多数。主な訳書に、『カフカ小説全集』(全6巻、白水社、2000-2002年)など多数。

著者等紹介

クラウス,カール[クラウス,カール] [Kraus,Karl]
1874‐1936年。オーストリアの批評家、諷刺家、詩人、劇作家

池内紀[イケウチオサム]
1940年、兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者・エッセイスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

twinsun

10
祖国の為でなく祖国のゆえに新聞のインクの染みになり果てる命が老醜の勲章を輝かせ、理念・国境変更・民族独立・復讐を旗頭に、弾薬・盗品・投機・慰安所が市場や中立国を潤し、病院・学校・納屋が焼かれ、目つぶしの密造酒・同胞の屍肉が喰らわれ、数合わせや口減らし・気晴らし・試し射ちに婦女子・農夫が凌辱・強殺される。“神の写し絵、人間は破滅した!アニ吾ガ志ナランヤ。”で終わるカール・クラウスの描き出す第一次世界大戦下の人間ドラマは変わらぬ人類の業への最終判決でなく一縷の希望を託した告発と受け止めたい。2022/04/10

hikarunoir

5
あらゆる角度から第一次大戦に見た世界の破滅を見つめた大著。戯曲めくのは少しでも笑い飛ばせるようにとの配慮だろう。同じ曲線を辿りつつある俺たちはどう見える?2018/10/12

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