内容説明
その名はサラ・バールトマン。19世紀初頭、南アフリカからロンドン、パリに連れてこられ、「ホッテントット・ヴィーナス」の名で見世物となった彼女。死後、解剖されたその身体模型は、パリの人類博物館に展示され、一般公開されつづけた。21世紀に向かう南アフリカで、突如巻き起こった身体返還運動。サラの悲痛な「声」が今に甦る。
目次
第1部 一八〇六年、南アフリカ、ケープタウン(今日は見世物興行はない…;私の物語を始めるなら…;翌日、私は村を離れ…;カーサル農園があったのは…;そのホッテントットのことを初めて聞いたのは…;気がつけば、私はたたずんでいた…)
第2部 一八一〇年、イギリス、ロンドン(私はセンセーションを巻き起こした…;見つけてきたのはヘンドリック様で…;私は看板を見あげた…;あれからひと月、ウェダバーン牧師は訴えた…;私が裁判所に姿を現すと…;親愛なるカサンドラ…;裁判は私をいっそう有名にし…;では、これがその男なんだわ…;夫は約束したのに…)
第3部 一八一四年、フランス、パリ(拝啓、ジョルジュ・レオポルド・キュヴィエ男爵…;目差しは目がくらむほどまぶしく…;ヴィーナスの視線が私に注がれているのを感じた…;最初、私は平気だった…;戻ってみると…;いつものように白人が勝った…;私は赤いグローブ皮を選んだ…;ティーダマン様が横切って…)
第4部 二〇〇二年、南アフリカ、ケープタウン
著者等紹介
チェイス=リボウ,バーバラ[チェイスリボウ,バーバラ][Chase‐Riboud,Barbara]
1939年、アメリカ、フィラデルフィア生まれ。イェール大学で学び、1979年、ベストセラーとなった『サリー・ヘミングス』で、アメリカの女流作家の手になる最高の小説に与えられるジャネット・ハイジンガー・カフカ賞を受賞。『ホッテントット・ヴィーナス―ある物語』では、2005年、アメリカ図書館協会からブラック・コーカス賞(「ブラック・コーカス」は黒人の権利向上をめざすアメリカの民間団体)が贈られた。1988年には、詩集『クレオパトラのごとき裸婦の肖像』で、優れたアメリカの詩人に贈られるカール・サンドバーグ賞を受賞し、詩人としての評価も高い
井野瀬久美惠[イノセクミエ]
1958年生まれ。京都大学大学院文学研究科西洋史学専攻博士課程単位修得退学。博士(文学)現在、甲南大学文学部教授。専門はイギリス近代史、帝国史
安保永子[アンボエイコ]
1954年生まれ。1976年、関西学院大学社会学部卒。2000年より甲南大学文学部の聴講生となり、歴史文化学科、英語英米文学科の授業を中心に、監訳者の講義などを受講し、現在にいたる
余田愛子[ヨデンアイコ]
1956年生まれ。1979年、関西学院大学文学部、教育心理学科卒。2001年より甲南大学文学部の聴講生となり、歴史文化学科、英語英米文学科の授業を中心に、監訳者の講義などを受講し、現在にいたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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