出版社内容情報
カフカ一族の未知の歴史を新たに発掘した資料や未公開写真によって照明するとともに,カフカの作品成立の背景を浮彫りにし,従来のカフカ文献を修正・補足する。
内容説明
ヴェールに包まれていたカフカ一族の未知の歴史を新たに発掘した資料や未公開写真によって照明するとともに、カフカの作品成立の背景を浮彫りにし従来のカフカ文献を修正・補足する。
目次
1 〈ミッシュポッヘ〉という言葉とカフカにとってその言葉が持っている意味
2 〈ベル・エポック〉へ―パリとパナマにおけるレーヴィ兄弟
3 マタディからモントレーへ―ヨーゼフ・レーヴィの生涯
4 海賊船に乗って―アルフレート・レーヴィの出世
5 カルダ鉄道、カフカ鉄道、レーヴィ鉄道―フランツ・カフカの作品におけるレーヴィ兄弟
6 新世界の発見―カフカのアメリカの従兄弟たちと『アメリカ』
7 故郷にとどまった一族―チェコ人、ドイツ人、ユダヤ人、同化した人たち
8 法律家と工場主―成功した富裕なカフカ家の人々
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tonex
6
カフカの親戚数十人の国内外での活躍を各地の公文書、新聞、産業報告、船の乗客名簿などを丹念に調べて整理し、カフカの作品への影響を考察したもの。(小説のモデルになった叔父や従兄弟が大勢登場し、だんだん誰が誰やらわからなくなる。)▼著者が蒐集した珍しい写真が多数収録されている。特にカフカの二人目の婚約者・靴屋の娘ユーリエ・ヴォリツェクの写真は、これまで遺されていないとされてきたが、ユーリエの甥が所有していたのを著者が入手した貴重なものである。(カフカの他の恋人フェリーツェ、ミレナ、ドーラと比べて美人に見える。)2015/12/06
koichi uchida
0
当時の写真が多く、当時の取り巻く環境、雰囲気を垣間見えることができる。2017/11/06