出版社内容情報
人間の〈さかしら〉と欲望や情念が織りなす世界を歴史に仮託して描いた『春雨物語』全10篇に,賀茂真淵の系統をひく国学者でもあった秋成の史観と思想を読みとる。
内容説明
人間の「さかしら」と欲望や情念が織りなす世界を歴史に仮託して描き、外来の思想や文化を相対化して「精神の自然」への回帰をめざした『春雨物語』の全十篇に、賀茂真淵の系統をひく国学者でもあった上田秋成の史観と思想を読みとる。
目次
春雨物語「歴史小説」の検討
「天津処女」―唐風文化の浸潤
「海賊」の批評性
「二世の縁」―仏法批判の意味
「目ひとつの神」―飛翔する想像力
『ますらを物語』と「死首のゑがほ」
「捨石丸」と青の洞門
「宮木が塚」の成立
「歌のほまれ」の問題点
「樊噌」―大蔵の野性と転生
付論 上田秋成と間重冨