出版社内容情報
福沢諭吉ら近代初期の思想家による西欧語受容過程を検討し、「意味以前のことば」として流通する翻訳日本語の特異な構造を日本文化論として分析する。<初版1976年>
内容説明
翻訳は日本語と日本文化に何をもたらしたか?―日本人の思考を支配する「翻訳日本語」への照射によって日本文化論に新たな視角を導入した著者が、近代初期の思想家・文学者による西欧語受容過程を具体的に検討し、「意味以前のことば」として流通する翻訳語特有の現象を「カセット効果」として理論化する。われわれにとって翻訳とはなにかを根底から問いなおすとともに、日本語の現状を捉える重要な手がかりを提示する。
目次
第1章 「カセット効果」の説
第2章 翻訳語「権」
第3章 翻訳語「自由」
第4章 societyの翻訳語
第5章 カセット文化論
第6章 翻訳語「彼」
著者等紹介
柳父章[ヤナブアキラ]
1928年東京生まれ。東京大学教養学科卒業。翻訳論・比較文化論専攻
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