内容説明
西洋世界で初めて、物語を展開するコマ割りマンガを制作し、その最初の理論化まで遂行した異才ロドルフ・テプフェール。その生涯と作品を、現代最高のマンガ研究者・批評家が紹介し、作家の歴史的意義を明確に位置づけた画期的著作。線と記号による芸術としての、マンガの起源と現在に関心をもつ万人に必読に書。『観相学試論』ほか、テプフェール自身の理論的テクストも収録。
目次
1 顔と線―テプフェール的ジグザグ(観相学の再発見;新たな言語;リーニュ・クレールの源泉へ;写真あるいは線のない顔;自由への思考)
2 ある芸術の誕生(1830年以前のカリカチュアと民衆版画;テプフェール氏がマンガを発明する;マンガはテプフェールの後継者?)
3 テプフェール自身の語るテプフェール(ある実施要綱に関する考察;『ジャボ氏の物語』への注記;『ジャボ氏の物語』海賊版に関する注記;『転写石版試作集』への注記;カムとの往復書簡;観相学試論)
補遺 テプフェールのマンガ
著者等紹介
グルンステン,ティエリ[グルンステン,ティエリ] [Groensteen,Thierry]
1957年ベルギー生まれ。『バンド・デシネのシステム』で博士号取得(トゥールーズ第二大学)
ペータース,ブノワ[ペータース,ブノワ] [Peeters,Beno^it]
1956年パリ生まれ。1980年代から幼なじみのフランソワ・スクイテンとともに『闇の国々』シリーズを手掛け、以後、BDの原作者として活躍。同シリーズは10の言語に訳され、数々の賞を受賞した。BD以外にもエッセイ、評伝、映画、テレビ、ラジオドラマの制作など多岐にわたる活動を展開
古永真一[フルナガシンイチ]
1967年生まれ。パリ第七大学留学を経て早稲田大学文学研究科博士後期課程修了。首都大学東京准教授。フランス文学
原正人[ハラマサト]
1974年生まれ。学習院大学人文科学研究科フランス文学専攻博士前期課程修了。バンド・デシネ翻訳者
森田直子[モリタナオコ]
1968年生まれ。東北大学大学院情報科学研究科准教授。文字と図像の物語メディア史、フランス語圏文学、文学理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
放蕩長男
えんじ
ニッポニテスは中州へ泳ぐ