内容説明
十九世紀末以降、世界第二の植民地帝国を形成したフランス。民主主義と人権の共和国はいかに自他を差別化し、不平等な他民族支配を正当化しえたのか。文明化の使命による「同化」という定説に切り込み、各植民地をめぐる膨大な行政関連文献を博捜することで、人種や慣習を異にする多様な現地住民の帝国への「包摂と排除」のメカニズムを法制度的観点から明らかにした画期的研究。
目次
第1章 市民と臣民―植民地における二種類のフランス人
第2章 フランス植民地主義における「同化」
第3章 インド所領―共和国の普遍主義のなかの文化的固有性
第4章 セネガル四都市―ディアニュ法の役割
第5章 アルジェリア―宗教と市民権
第6章 血統と文化によるフランス人種―混血の分類
第7章 「アジア人」から「ヨーロッパ人」へ―フランス領インドシナにおける日本人の法・行政的処遇
著者等紹介
松沼美穂[マツヌマミホ]
2003年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。博士(学術)。福岡女子大学文学部准教授を経て、群馬大学教育学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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