内容説明
「征服者」、コルテスの真実。コロンブスの新世界到達より約三十年、わずかな兵を率いてユカタン半島に上陸し、隆盛を極めるアステカ帝国を打ち倒した稀代のコンキスタドール、コルテスが戦いにつぐ戦いのなかでしたためた五通の国王宛書簡を完訳。
目次
第一書簡
第二書簡
第三書簡
第四書簡
第五書簡
著者等紹介
コルテス,エルナン[コルテス,エルナン] [Cort´es,Hern´an]
1485年、スペインのメデリンで生まれる。サラマンカ大学でラテン語と法律を学んだ後、1504年、サント・ドミンゴへ渡航。キューバ征服に参加後、1519年、メキシコ探検に出発。1521年、首都テノチティトランを陥落させる。1522年、国王によりヌエバ・エスパニャの総督兼総司令官に任命されるが、実権は派遣された王室の高官が握る。1540年、スペインに帰国。1547年、失意のうちに死去(享年62歳)。1566年、遺言により遺骨をヌエバ・エスパニャに移送、現在メキシコ市のヘスス・ナサレノ教会に眠る
伊藤昌輝[イトウマサテル]
1941年生まれ。大阪外国語大学イスパニア語学科中退。外務省入省、マイアミ・リオデジャネイロ総領事、ホンジュラス・ベネズエラ大使を歴任。のち一橋大学大学院客員教授、清泉女子大非常勤講師を務める。現在、ラテンアメリカ協会副会長、日本ベネズエラ協会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てれまこし
7
コルテスがスペイン国王/ローマ皇帝に宛てた書簡。アステカ帝国征服の顛末を書いた第二・第三書簡は印刷されて広く読まれた。カトリック信仰の守護者たる国王/皇帝の忠実な僕という建前で書かれていて、人文主義的要素はほぼ皆無。運命の女神に言及されてるのも一カ所のみ。マキァヴェッリを読んだかどうかも不明らしい。だが、彼の行動はまさにマキァヴェリアン。探検と交易という勅令を無視して勝手に征服事業に乗り出し、キューバ総督らの頭ごなしに皇帝に直接訴えて新しい征服地の実質上の君主たろうと画策してる。この報告書簡もその一環。2024/07/01