出版社内容情報
偶然手に入れた無銘のヴァイオリンに愛着を感じた著者が、その来歴を探る旅を通してヨーロッパ300年の歴史を描く。気候変動、戦争、疫病、経済変化、器楽の発達、音楽史、文化史といった多面的歴史と、生きるために移民となりヨーロッパ文化を陰で支えた無名の人々の姿が、ひとつの楽器の中に浮かび上がる。推理小説のように展開する楽器の作者捜しの旅は、個人の記憶と壮大な歴史が絡み合い読者を迷宮に誘う。
内容説明
名もないヴァイオリンの来歴を探る旅が、ヨーロッパ300年の歴史を描き出す。W・G・ゼーバルトゆかりの著者による、記憶と歴史がフーガを奏でる異色の文化史。
目次
出会い
リュートのへぎ板
デン・ハーグ
解読
亡霊のひしめく町
死の舞踏
ごつごつした石の世界
ミラノ
六つの独奏曲
ロンドン
訛り
つながり
ある種の弓形
パリ、挫折を乗り越えて
ヴェネツィア
ヘラクレスとその棍棒
父親探し
指標
ある工房
魂柱の亀裂
曲がりくねった小道
顔の手がかり
フェティシズムについて
鋳掛屋横町
バッサーノ
お気に召すまま
著者等紹介
ブローム,フィリップ[ブローム,フィリップ] [Blom,Philipp]
1970年、ハンブルク生まれ。歴史学博士。歴史家、作家、ジャーナリスト。翻訳家としては、英語の自著をドイツ語に訳しているほか、オペラ台本などの翻訳も手がける。ほかに長編小説、新聞・雑誌の論説、ラジオ番組など、多方面で活躍し、環境、政治など現代の問題にも積極的に発言している。ベストセラー作家の一人で、グライム文学賞はじめ受賞歴も豊富
佐藤正樹[サトウマサキ]
1950年、愛知県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科修士課程修了。広島大学名誉教授。博士(文学)。ドイツ文学・文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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