出版社内容情報
現代フォークロア研究の直面する問題を多角的に検討し,科学時代の今日に生きる新たなフォークロアの方法を提示する。フォーク理論の第一人者によるアンソロジー。
内容説明
民間伝承とは何か、民衆の文化とは何かという根源的な問いの下に現代フォークロア研究の直面する問題を多角的に検討し、従来の歴史・地理的方法を越えて、科学時代の今日に生きる新たなフォークロアの方法を提示する。フォーク理論の第一人者によるアンソロジー。
目次
フォークロアの理論―歴史地理的方法を越えて
フォークロアとは何か
フォークロア
民衆文学―研究方法からの定義
フォークロアと文学研究者
民俗学と人類学
民話について
世間話の構造
昔話の構造的研究におけるエティック的単位からイーミック的単位へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きつね
3
p.93 アーチャー・テイラー(伊藤詔子訳)フォークロアと文学研究者 詩人はバラードを模倣して、ハイネは『ローレライ』を、ダンテ・G・ロセッティは『シスター・ヘレン』を書いた。しかし彼らは、バラードの明白な文体的技巧を駆使し損ねているため、彼らがバラードの伝統的用法を認識したかどうかは、不明なままである。ジョージ・メレディスの『シャグパッドの毛剃り』や、十八世紀およびロマン主義時代の民間説話の模倣も、同様にして、民間説話的文体のありふれた表現には、奇妙にも無自覚であったことを示している。2015/02/01
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