出版社内容情報
高等学校世界史教科書の東南アジア史記述に関する問題点を整理し、90冊に及ぶ書評とあわせて、これからの歴史教育のあり方を考える
内容説明
歴史学は、趣味や教養のためだけにあるのではない。いまの社会、これからの社会に必要な基礎知識として、過去と現在、そして未来をつなぐためにある。歴史事実はひとつであろうが、歴史的解釈は社会の変化に応じて、つねに変わっていく。近代に世界をリードした欧米を中心に歴史を語ることは、かつては有効だったが、グローバル化の現代にはそぐわない。また、人びとの生活が国民国家の枠内より出ることの少なかった近代においてナショナル・ヒストリーは有効だったが、いまは違う。では、現代にふさわしい歴史とはどういうものか。本書は、著者が、近代からの離脱を計ろうと模索している人たちから学び、対話するための書評集である。
目次
1 東南アジア史研究から問う歴史教育(近代の歴史観を超えるために;『高等学校学習指導要領解説 地理歴史編』(平成一一年一二月)
高等学校世界史教科書にみる東南アジア史記述の問題点)
2 書評空間(歴史を考える;世界史を考える;東南アジア史を考える;戦争を考える;その他)
著者等紹介
早瀬晋三[ハヤセシンゾウ]
1955年岡山県生まれ。東京大学東洋史学科卒業。西豪州マードック大学Ph.D.。現在大阪市立大学教授。主要著書『海域イスラーム社会の歴史―ミンダナオ・エスノヒストリー』(岩波書店、2003年、第20回「大平正芳記念賞」受賞。英語版:Mindanao Ethnohistory beyond Nations,Quezon City:Ateneo de Manila University Press,2007)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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