内容説明
事件の渦中にあった著者は、戦後母校(旭丘高)で教鞭をとるかたわら、決起から五人の学友の死までの軌跡をつぶさに調べ、決起の意味を問い直す作業をつづけてきた。ここに成った本書は、全国の中学生出陣の先駆けとなる一事件の貴重な記録であり、鎮魂の碑である。
目次
1 一旦緩急アレハ(太平洋の戦い;兵営化する学園;大空への誘い)
2 昭和十八年七月五日(時局講演会;総決起大会;少年の決意)
3 征く者・征かざる者(犬飼成二の日記;総決起崩壊;動揺つづく;あえて征く)
4 兵営の日々(入隊壮行会;二等飛行兵;汀朋平の日記;一度の帰省)
5 積乱雲の彼方に(帝国の落日;沖縄の戦い;決戦の日々;戦い終わる)
著者等紹介
江藤千秋[エトウチアキ]
1928年名古屋市に生まれる。45年愛知県第一中学校(現・愛知県立旭丘高等学校)卒業。48年名古屋工業専門学校(現・名古屋工業大学)卒業。工業技術院東京工業試験所研究員を経て、54年より愛知県立惟信高等学校、56年より70年まで旭丘高等学校でそれぞれ化学を担当後、学校法人河合塾理事に就任。2003年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
馨
4
先にNHKのドラマ版を見ていたのでおおまかな内容は知っていましたが、ドラマでは愛知一中生が出征~戦後のシーンで終わるけどこちらはその後まで歴史を交えてしっかり語ってます。一中生は賢くてエリートだからこそ周りの大人たちに言われることに純粋に向き合い考えようとするし、自分が志願しなければ家族が国賊扱いされるとか将来のこととかかなり先まで考えてしまうんだろうなぁ~と思います。反戦色の強い本ですが軍隊でも学校でも、犠牲になるのは若者です。2014/04/27
rico
1
昨夏「15歳の志願兵」を見たあと、読みたいと思っていたのですが、市立図書館にあったので借りました。2012/06/04