内容説明
社会秩序を揺るがす欲望とエネルギー。鎌倉後期から南北朝動乱期にかけて、山野河海を舞台に活動した悪党・海賊と呼ばれる人々の存在形態を明らかにし、中世社会に定位する。歴史学の批判・検討、精力的な実証研究を通じて日本史像の転換を促し続けてきた網野史学の原点。
目次
いわゆる「南北朝動乱」の評価をめぐって
第1部 鎌倉後期の社会と政治(「関東公方御教書」について;文永以後新関停止令について;豊後国六郷山に関する新史料)
第2部 鎌倉末・南北朝期の社会と政治(鎌倉末期の諸矛盾;悪党の系譜―『太平記』を中心に;楠木正成に関する一、二の問題;鎌倉幕府の海賊禁圧について―鎌倉末期の海上警固を中心に;造酒司酒麹役の成立―室町幕府酒屋役の前提;元亨の神人公事停止令について―後醍醐親政初期の政策をめぐって;倉栖氏と兼好―林瑞栄『兼好発掘』によせて)
悪党と海賊
著者等紹介
網野善彦[アミノヨシヒコ]
1928年、山梨県生まれ。1950年、東京大学文学部史学科卒業。日本常民文化研究所研究員、東京都立北園高校教諭、名古屋大学助教授、神奈川大学短期大学部教授を経て、神奈川大学経済学部特任教授。専攻、日本中世史、日本海民史。2004年、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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