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出版社内容情報
永井荷風、尾崎紅葉、田村松魚、前田河広一郎、広津和郎、林芙美子、谷譲次、川崎長太郎、川端康成……。さまざまな文人たちによって記録された遊技「玉ころがし」とは何か。明治初期、香具師の露天営業で流行し、「ジャパニーズ・ローリング・ボール」としてアメリカへ伝播し、「スキー・ボール」にかたちを変え今日まで継承される。パチンコ誕生以前に興隆し消えていった幻の遊技の歴史をたどる。
内容説明
失われた遊技を思い出す。明治初期、香具師の露天営業で流行し、「ジャパニーズ・ローリング・ボール」として興行師とともに国外へ伝播し、「スキー・ボール」にかたちを変えて今日まで継承される。「もの」と「人間」の移動によって発展し、消えていった幻の遊技の通史。
目次
ビリヤード(玉突き)とバガテール(玉ころがし)の起源
江戸末期、バガテールが玉ころがしとなる
明治一一年、玉ころがし、新聞初登場
木村荘八『東京の風俗』の玉ころがし
明治一五年五月、玉ころがし営業に警察の鑑札
尾崎紅葉『紫』の玉転がし
明治二九年、櫛引弓人が玉ころがしをアメリカへ
明治三四年、片山潜『渡米案内』
米国の玉ころがし、台湾の玉ころがし、朝鮮の玉突き
明治三七年、セントルイス万博の玉ころがし
永井荷風と田村松魚の玉ころがし
明治四〇年、前田河広一郎の玉ころがし
明治四〇年、「スキー・ボール」発明さる!
日米の玉ころがし特許と大正五年のスキー・ボール改良特許
大正一〇年、中山岩太夫妻、ライビーチで玉ころがし
大正一〇年、めりけんじゃっぷ、長谷川海太郎の玉ころがし
排日移民法下の玉ころがしとスキー・ボール
「浅草紅團」の射的、玉ころがし、パチンコ
松屋スポーツランドのスキイ・ボオリング
真珠湾攻撃、玉ころがし消える
戦後のパチンコと玉ころがし
昭和三三年、最後の玉ころがし
著者等紹介
杉山一夫[スギヤマカズオ]
1950年、横須賀市生まれ。72年、若江漢字夫妻に銅版画の手ほどきを受ける。以後独学で内外の国際展に出品。アンダーワールドの女性たちを描き、82年、日本版画協会奨励賞受賞。主な受賞歴に、91年、第3回ルブリン・マイダネク国際反戦芸術トリエンナーレ準大賞受賞など。大英博物館ほかに作品収蔵。神奈川国際版画アンデパンダン展委員、日本版画協会委員、かながわ版画振興会事務局長を経て、89年、昭和が消えるとともにパチンコのルーツ解明に挑む。2020年6月、パチンコ誕生博物館をオープンする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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