内容説明
神宿る木から樟脳の船まで、信仰の対象としての、あるいは医薬品や防虫剤の原料としての人間との関わりの歴史を追って自然保護の問題にもおよぶ。
目次
第1章 クス・くす・楠・樟
第2章 文学や歴史にあらわれた楠
第3章 民話や昔話の楠の木
第4章 クスノキの利用
第5章 楠の文化史
第6章 楠の雑学・民俗学
第7章 楠の巨木に誘われて
第8章 樹木の信仰と自然保護
著者等紹介
矢野憲一[ヤノケンイチ]
1938年、三重県伊勢市に生まれる。國學院大學文学部日本史学科卒業。1962年伊勢神宮に奉職。神宮禰宜、神宮司庁広報課長、文化部長、神宮徴古館農業館館長などを歴任。2002年退職。現在、NPO法人五十鈴塾塾長
矢野高陽[ヤノコウヨウ]
1972年、三重県伊勢市に生まれる。國學院大學文学部神道学科卒業。1995年鎌倉鶴岡八幡宮奉職。愛知県一宮市真清田神社を経て2002年伊勢神宮に奉職。現在、神宮宮掌、神宮司庁広報室勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kaizen@名古屋de朝活読書会
81
全国の約100の巨樹の一覧がある。 参考文献も豊富で、とても勉強になる。 できれば、全部の写真があると嬉しかった。 別途写真集か,旅行ガイドを作ってもらえると嬉しい。2010/11/21
ニミッツクラス
1
「ものと人間の文化史」と言う百科叢書の151番目の本で、10年の初版を読んだ。樹木に関しては梅、松、桜、杉などの既刊もある。楠はとても身近で判別しやすい常緑高木だけれど、楠と落葉高木の欅を混同していた人を知っている。尤も、山育ちの年輩の人でもサラリーマンだったりすると杉と桧の見分けのつかない人も多い。自宅の隅切りに植えた枇杷の横から楠が生えてきた。ヒヨドリが落としたフンの中にタネが入っている。すくすく伸びたが真上に架線がある。日本の御神木ともなれば斬り倒す事など考えも及ばず、生長点を切るに留めた。2013/11/23