内容説明
遊戯史研究の目的と方法を語り、現在の水準を明らかにしつつ未来を展望する。
目次
序章 遊びをせんとて生れけむ―遊戯史研究の出発点と目的
第1章 遊戯の世界史―文明の曙から近世ヨーロッパまで
第2章 遊戯の日本史―古代貴族から軍国主義下の庶民まで
第3章 遊戯の法則―遊戯の主体としての人間の変容
第4章 遊戯・賭博に対する見解―平和をもたらす行為か悪魔の技か
第5章 遊戯の研究史―ホイジンガから宮武外骨、酒井欣まで
終章 “遊ぶ人間(ホモ・ルーデンス)”が平和をつくる―遊戯史研究の現状と展望
著者等紹介
増川宏一[マスカワコウイチ]
1930年長崎市に生まれる。旧制甲南高等学校卒業。以来将棋史および盤上遊戯史を研究。大英博物館リーディングルーム・メンバー。国際チェス史研究グループ会員。第17回将棋ペンクラブ特別賞受賞。遊戯史学会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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常磐条(ときわとおる)
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ホイジンガからカイヨワへの発展において“賭け”という要素が加わったことが大きかった。賭けには当然、イカサマも付き纏う。武士の生き方においても智謀の将は一つの憧れであり、詐術や心理術は重要だ。まして「道徳的に許されないもの」などではない。中世において歌詠みは遊びであって遊びの範疇を超えた影響力を及ぼしていたが、やはり遊びだったのだ。遊びは世界の裏を覗く方法であって、“真剣な遊び”はある。現代では賭けが遊びを飲み込んで欲望や経済や科学技術と結びつき、“真面目”という現実世界のみでの競い合いを是としているが。。2013/06/29