出版社内容情報
日本の鬼,古代ギリシアのダイモン,中世の異端狩り.魔女狩り等々をめぐり,自然=カオスと文化=コスモスの対立の中で〈野生の思考〉が果たしてきた役割をさぐる。
内容説明
日本の鬼、古代ギリシアのダイモン、西洋中世の異端狩り・魔女狩り等の考察を通して人類の魔物観の普遍性と差異性を浮彫りにし、歴史に埋もれた意味を解読する。名づけえぬ対象を指す万能のゼロ記号“もの”をめぐる異色の人類文化史。
目次
4章 西洋の悪魔論(古代のデモノロギア;中・近世のデモノロギア)
5章 比較魔物論(魔物の時空論;魔術の文化象徴論)
著者等紹介
山内昶[ヤマウチヒサシ]
1929年東京生まれ。京都大学仏文学科卒。同大学院(旧制)終了後、パリ大学高等研究院に留学。現在、大手前大学教授、甲南大学名誉教授
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感想・レビュー
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eirianda
3
2部は西洋の悪魔論。魔女裁判の本も数冊読んでいたが、この著者の思考を通して、ばらばらだった知識を串刺しにしてもらえた。最終章では東洋と西洋の魔物の比較とその思想背景の違い。何より参考になったのは、あらゆる言葉の語源を遡って説明しているので、その思考の源に触れることができ、理解し易かったこと。なんだかんだ言いながらも、日本人も勧善懲悪のストーリーは好きなわけで、理屈の通ったストーリーは好きなわけで…。小説に喩えるなら、幻想系が今後の社会で流行るといいんじゃないかな。兎に角、読む価値ある。参考文献も興味あり。2015/01/06
Mark.jr
1
妖怪や魔物のようなこの世ならざるものと人間の関係の歴史・文化史を、それも日本だけではなくヨーロッパ、アフリカ、古代アステカまで広範囲に視野を拡げて、辿り直し考察したありそうでなかった本です。実はこういう本をずっと読みたかった。2019/03/28
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