出版社内容情報
稲作農耕とともに二千年余の歴史をもち,日本人の全生活領域に生きてきた藁の文化を日本文化の原型として捉え,風土に根ざしたそのゆたかな遺産を詳細に検討する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りー
12
1985年初版。藤森照信さん おすすめ本。著者は工学博士。博士論文に手を加えた一冊。稲作を米を取り去った後の「藁」に着目して考える内容です。改めて衣食住、全てに使われていることに気づかされて呆然。パッケージ、燃料、繊維など、藁がかつて担ってきた役目はプラスチックなど石油化学製品に変わった。そして、循環が無くなった。STAY HOME生活で出る、膨大なゴミ・ゴミ・ゴミ。かつての生活を礼讃するわけではないけれど、循環可能な素材の開発はまだできないのだろうか、と思います。私たちが目指すものをきちんと考えねば。2020/05/05