出版社内容情報
キリスト教の〈原罪〉観念のもとに形成された西欧人の性意識を跡づけ,宮廷愛現象を考察しつつ,タオイズムやインド哲学に学んで現代人の性愛のかたちを問い直す。
内容説明
タオイズム(道家思想・道教)を軸に、古代中国および古代インドの性愛にかかわる観念を考察して、西欧における性愛のかたちを問いなおす試み。キリスト教によって植えつけられた原罪意識が、西欧人の性意識にどう影響してきたかを論じ、中世の宮廷愛現象をあとづける。また、東洋の叡智に学びつつ、現代の「性交の科学」をも援用して、オルガスムの呪縛から脱し、精神と肉体の合一にいたるためのテクニックを具体的に説く。現代人のための『カーマスートラ』。
目次
1 おぼこ娘
2 礼儀(悪魔の戸口;礼節(cortezia)
告解する動物
幸福=性
性=挿入とオルガスム)
3 雲と雨(性能力の蓄積)
4 蓮(上昇する精液)
5 場
著者等紹介
パウエル,ジェイムズ・N.[パウエル,ジェイムズN.][Powell,James Newton]
カリフォルニア大学サンタ・バーバラ校に学び、同大学で宗教学の修士号を取得。その後はサンタ・バーバラの大学で教えるかたわら、旺盛な執筆活動を展開している
浅野敏夫[アサノトシオ]
1947年に生まれる。茨城大学文理学部英文学科卒業。現在茨城キリスト教大学短期大学部教授。現代アメリカ文学専攻
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感想・レビュー
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そばかす♪
17
エロスについて歴史や社会や宗教から考察されている実に真面目な内容。だけど、今の世の中に作り上げられたオルガズム至上主義とも言うべき行為が、まるごと覆される意見に瞠目した。読む価値ありと思います。2014/04/24
mmiyoshi
0
非常に面白い。排尿、生殖に次ぐ性器の第三の役割とは。2017/02/28
戸塚こだま
0
かなり与太話的な書き口だが、ヨーガや道教の性愛思想について語る章では迫力があって面白い。しかし出典があまり書かれていないのは残念。2016/07/21
ぺんぎん
0
主に道家とインドの性に関する歴史、認識が作者の出身の西洋的な歴史、認識と比較されている。 ヨーガや性エネルギー、生物が併せ持つ10ヘルツの周波数、皮膚電磁場など興味深い内容だった。2016/03/21
concreteseijin
0
アルコールやニコチンじゃなくて、これが最適解。もっとも最後に述べられる指針に沿った方法で行えば、容易に量から質への転化、ないしその逆の転化、対立物の相互浸透(統一)、否定の否定を体験できるぜ。ポリネシアン餅つき。2014/02/19