出版社内容情報
文化や言語、人種や性の多様性・特殊性が尊重されるべきグローバル世界のなかで、いま「普遍主義」はどのように可能なのか。西洋中心主義的・植民地主義的な価値の押しつけではなく、排他的なナショナリズムによる反西洋・反合理主義でもなく、新自由主義に回収されてしまうポストモダンでもない、真に平等なコスモポリタニズムの可能性を問う共同研究論集。分断を超える理論と実践のために。
内容説明
公正な世界の実現にむけた全12章の政治哲学論集!文化や言語、人種や性の多様性・特殊性が尊重されるべきグローバル世界のなかで、いま「普遍主義」はどのように可能なのか。西洋中心主義的・植民地主義的な価値の押しつけではなく、排他的なナショナリズムによる反西洋・反合理主義でもなく、新自由主義に回収されてしまうポストモダンでもない、真に平等なコスモポリタニズムの可能性を問う共同研究論集。
目次
第1部 グローバル化のなかの普遍主義(「帝国」の普遍主義とコスモポリスの普遍主義―対話するコスモポリタニズムの可能性;正義の探求にあたってコスモポリタニズムはもう不要なのか?;グローバル化は「進歩」「時代の趨勢」だと言えるのか―新自由主義的な通俗的歴史観を疑う;パトリオティックな配慮とその限界―国際社会における消極的/積極的義務)
第2部 西洋/反西洋の思想と普遍主義(マルクスにおける普遍と特殊;共和主義と普遍主義―シティズンシップの領域性の再検討;「ヴァナキュラーな価値」の普遍的帰結の可能性、そして現代的課題)
第3部 東洋・日本の思想と普遍主義(現代コミュニタリアニズムの普遍性―西洋の普遍主義と東洋の普遍主義;反普遍主義の政治―ハイデガーと京都学派の場合)
第4部 ポストモダン以降の政治と法における普遍主義(アイデンティティ政治のパラドクス―普遍性はどのように回復されるべきか;I.M.ヤングにおける「普遍主義」―「構造」をめぐる議論を「経験」へと開くこと;法の不変性への不信―批判法学とその後続者たちに見る信仰喪失の諸相)
著者等紹介
有賀誠[アリガマコト]
1960年生。慶応義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。防衛大学校人文社会科学群公共政策学科教授
田上孝一[タガミコウイチ]
1967年生。社会主義理論学会事務局長・立正大学人文科学研究所研究員。哲学・倫理学専攻。博士(文学)
松元雅和[マツモトマサカズ]
1978年生。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。日本大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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