出版社内容情報
未邦訳も含めた著作、講義、草稿などを詳しく解説し、身体論から多種多様な実践領域へ拡張しつつ、その思想の全貌を明らかにする。メルロ=ポンティの知覚と身体への問いは、現象学・実存主義・構造主義など現代思想全般に計り知れぬインパクトを与え、その影響は哲学から、言語学、心理学、精神医学、政治、アート、パフォーマンス、医療、介護へと様々に広がっている。本読本では、未邦訳も含めたほぼすべての著作、講義、草稿を詳しく紹介、さらには看護学、リハビリテーション、認知科学、フェミニズム、教育学など多様な実践領域へ拡張し、その思想の全貌を明らかにする。
編者前書き
メルロ?ポンティの生涯とその時代 【松葉祥一】
第?部 前期──知覚の現象学へ
『道程 一九三五─一九五一』(『知覚の本性』)──メルロ?ポンティの原点 【加賀野井秀一】
『行動の構造』──行動主義批判と内観について 【國領佳樹】
『知覚の現象学』序文・序論──両義性の哲学 【松葉祥一】
『知覚の現象学』第一部──世界内存在としての身体 【加國尚志】
『知覚の現象学』第二部──私の身体は何を知覚しているのか 【阿部文彦】
『知覚の現象学』第三部──身体はいかに時間を分泌するのか? 【榊原達哉】
『知覚の哲学──ラジオ講演一九四八年』──知覚世界という現象学的始原をめぐって 【北村 晋】
第?部 中期──政治・言語・哲学
『ヒューマニズムとテロル──共産主義の問題に関する試論』──道徳と政治の突き合わせ 【川崎唯史】
『意味と無意味』──生まれつつある意味 【酒井麻依子】
『道程2 一九五一──一九六一』──五〇年代のメルロ?ポンティ 【佐藤勇一】
『世界の散文』──〈真理〉と表現という問題系の射程 【屋良朝彦】
『弁証法の冒険』──政治哲学的マルクス主義批判 【松葉祥一】
『シーニュ』1──偶然性の中の論理 【川瀬雅也】
『シーニュ』2──知覚と歴史、知覚と政治のあいだ 【山下尚一】
第?部 後期──野生の存在論へ
『ジョルジュ・シャルボニエとの対話』──語り、旅する哲学者 【松葉祥一】
『眼と精神』──晩年の存在論に至る思考の深化 【本郷 均】
『見えるものと見えないもの』1──手と手袋 【村瀬 鋼】
『見えるものと見えないもの』2──「野生の存在」と「野生の意味」 【大滝 結】
第?部 講義──思想の生成の場
『ソルボンヌ講義』──後期思想にいたる原資蓄積過程 【澤田哲生】
『感覚的世界と表現の世界』──「表現」の概念から知覚・運動・身体図式を捉え直す 【家? 洋】
『言語の文学的用法の研究』──書くことと生きること 【佐野泰之】
『制度化、受動性』──歴史のこだまのなかで目覚めるために 【廣瀬浩司】
『自然』──「野生の存在」と自然の哲学 【加國尚志】
『言語と自然』──表現論から存在論へ 【澤田哲生】
『フッサール『幾何学の起源』講義』──デリダの読解との対比を通じて 【亀井大輔】
第?部 メルロ?ポンティ哲学の拡張
認知科学とメルロ?ポンティ──GOFAIからエナクティヴ・アプローチまで 【宮原克典】
フェミニズムとメルロ?ポンティ──規範を生きる身体の経験 【中澤 瞳】
看護学とメルロ?ポンティ──「待望していたもの」との出会い 【西村ユミ】
精神医学とメルロ?ポンティ──病が教えてくれること 【澤田哲生】
教育学とメルロ?ポンティ──「制度化」の記述 【西岡けいこ】
リハビリテーションとメルロ?ポンティ──「私」が「私の身体」を取り戻すために 【宮本省三】
メルロ?ポンティ書誌 【松葉祥一+本郷 均】
事項索引
人名・著作名索引
執筆者紹介
松葉 祥一[マツバ ショウイチ]
編集
本郷 均[ホンゴウ ヒトシ]
編集
廣瀬 浩司[ヒロセ コウジ]
編集
内容説明
メルロ=ポンティの知覚と身体への問いは、現象学、実存主義、構造主義などの現代思想全般に計り知れぬインパクトを与え、その影響は、哲学から、言語学、心理学、そして、政治、芸術、医療へと広がる。本読本は、未邦訳も含めたほぼすべての著作を詳しく紹介、さらには看護学、リハビリテーション、認知科学、フェミニズム、教育学などの実践領域へと拡張し、その思想の全貌を明らかにする。
目次
メルロ=ポンティの生涯とその時代
第1部 前期―知覚の現象学へ(『道程 一九三五‐一九五一』(『知覚の本性』)―メルロ=ポンティの原点
『行動の構造』―行動主義批判と内観について ほか)
第2部 中期―政治・言語・哲学(『ヒューマニズムとテロル―共産主義の問題に関する試論』―道徳と政治の突き合わせ;『意味と無意味』―生まれつつある意味 ほか)
第3部 後期―野生の存在論へ(『ジョルジュ・シャルボニエとの対話』―語り、旅する哲学者;『眼と精神』―晩年の存在論に至る思考の深化 ほか)
第4部 講義―思想の生成の場(『ソルボンヌ講義』―後期思想にいたる原資蓄積過程;『感覚的世界と表現の世界』―「表現」の概念から知覚・運動・身体図式を捉え直す ほか)
第5部 メルロ=ポンティ哲学の拡張(認知科学とメルロ=ポンティ―GOFAIからエナクティヴ・アプローチまで;フェミニズムとメルロ=ポンティ―規範を生きる身体の経験 ほか)
著者等紹介
松葉祥一[マツバショウイチ]
1955年生。同志社大学嘱託講師
本郷均[ホンゴウヒトシ]
1959年生。東京電機大学教授
廣瀬浩司[ヒロセコウジ]
1963年生。筑波大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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