内容説明
西洋哲学史を代表する思想家たちとの対決から切り開かれたハイデガーの思索の道には、テキストの解釈をめぐって数々の変化・起伏・反復が内在する。初期から中期にわたる重層的な思考の展開を、従来必ずしも正面から問われてこなかった「解釈学」の観点から包括的かつ批判的に跡づけ、主著『存在と時間』の方法を支えるハイデガー独自の哲学史観や歴史解釈の根本的意義を究明する画期的研究。
目次
序論
第1部 『存在と時間』の解釈学的構造(形式的告示的解釈学;日常性の解釈学;超越論的解釈学)
第2部 『存在と時間』の解釈学的転回(脱自的瞬間の時間性;解釈学と超越論の相克;永遠回帰と転回)
第3部 『存在と時間』の解釈学的反復(共同存在の解釈学;歴史の解釈学;自然の解釈学)
結論
著者等紹介
齋藤元紀[サイトウモトキ]
1968年生。2002年法政大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士課程単位取得退学。現在、法政大学サステイナビリティ研究教育機構リサーチ・アドミニストレータ(PD)、法政大学・大学院兼任講師、国士舘大学、明星大学、首都大学東京、立教大学非常勤講師。博士(哲学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZUKI
7
(現象学の根本問題で)我々は存在の根本的分節化の問題に直面している。「何ー存在と存在ー様式との必然的な共属性と、この2つの事がそれらの統一において存在一般の理念に属しているという問いに直面している。→存在の可能的な諸変様と存在の多様性の統一の問題へとまとめられる。」「何ー存在」「様態ー存在」ないし「存在ー様式」の間で存在者の存在は様々な様態を取る。→そこで分節化されて来るのが現存在、共同存在、道具的存在性、眼前存在性、生、そして内世界的存在者としての自然。→理解出来る人には出来るが難しい、が奥が深い2015/06/23