出版社内容情報
カントの哲学的思索はどのように営まれたか,『純粋理性批判』における思惟の究極の把握を試み理論哲学と実践哲学を分析・検証。その哲学の現代的意義をも論考する。
内容説明
「哲学の本領は哲学者が自らの限界を知ることにこそある」というカントのテーゼを謙虚に受け入れ、その思惟の究極を把握せんとし理論哲学と実践哲学を分析・検証する。ニュートン、ライプニッツ、ヒューム、ロック、ボーアらの思考も勘案しつつ、現代におけるカント哲学の意義を新しい視点から論考する。
目次
第1章 方法(カントと方法の問題―認識論の成立根拠について;カントと分析性の問題;因果的必然性―ヒューム、カント、反事実的条件文)
第2章 存在(カントと外界の存在の問題;物理的実在―ニールス・ボーアの見解のカント的側面;ロックの‘Physical Inquiries’と「実在」)
第3章 空間論(ニュートンの「絶対空間」について;ライプニッツの空間論;空間についてのカントのテーゼ)
第4章 道徳について(行為はいつ道徳的となるか―カントの自律論の理解に向けて;道徳的自律―カントとG・ドゥウォーキンを巡って)