出版社内容情報
さまざまなメディアが文明化の過程で意義を増すかたわら、文学の立場はますます失われつつある現状を見据え、文学に残された意味機能を探る。想像力や虚構的なものなどの思考の変遷をたどり、ポスト構造主義的・デリダ的考察を経て、人間社会に対する想像上のものが担う役割と意味の重要性を主張。文学の虚構性が想像上のものを活性化し、文学作品を可能にするメカニズムを解き明かす。
目次
1 虚構化する行為
2 文学の虚構性のパラダイムとしてのルネッサンス牧歌文学
3 哲学的言説において主題化された虚構
4 想像上のもの
5 テクスト・ゲーム
6 エピローグ
著者等紹介
イーザー,ヴォルフガング[イーザー,ヴォルフガング] [Iser,Wolfgang]
1926年生まれ。ドイツのコンスタンツ大学の英文学・比較文学の教授。カリフォルニア大学でも講座をもつ。ハンス・ローベルト・ヤウスとともに、現象学、プラハ言語サークル、解釈学の影響を受け、読者あるいは読書行為に焦点を当てた受容理論、読者反応批評を展開するコンスタンツ学派を形成。現代ドイツを代表する文学批評理論家
日中鎮朗[ニッチュウシズオ]
法政大学教授。専攻:ドイツ現代文学、比較文学、文学理論
木下直也[キノシタナオヤ]
成城大学教授。専攻:ドイツ近現代の文学・芸術
越谷直也[コシタニナオヤ]
宮崎産業経営大学教授。専攻:ドイツ古典主義の文学・思想
市川伸二[イチカワシンジ]
東京工業大学教授。専攻:ドイツ近現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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