叢書・ウニベルシタス<br> 無知な教師―知性の解放について (新装版)

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叢書・ウニベルシタス
無知な教師―知性の解放について (新装版)

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  • サイズ 46判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588140525
  • NDC分類 371.1
  • Cコード C1310

出版社内容情報

人間の平等という原則に目を閉ざし、知性の優劣という虚構によって人びとを序列化してきた近代教育。他者への侮蔑にもとづく「愚鈍化」の体制から身を引き剥がし、現実の不平等に立ち向かう知性の主体となるために必要な学びの原理とはどのようなものか? 十九世紀の「無知な教師」ジョゼフ・ジャコトがめざした革命的教育の教えをモデルに、今日の「侮蔑社会」の泥沼から解放された人間を待望する。

内容説明

19世紀の教師ジャコトの教えをモデルに、不平等に基づく「侮蔑社会」と「愚鈍化」の泥沼から今日の人間を解放する知性を探る。解放のための教育論。

目次

第1章 ある知的冒険(説明体制;偶然と意志 ほか)
第2章 無知な者の教え(書物の島;カリプソと錠前屋 ほか)
第3章 平等な者たちの根拠(脳と葉;注意深い動物 ほか)
第4章 侮蔑社会(重力の法則;不平等への情念 ほか)
第5章 解放者とその猿真似(解放する教育法と社会的教育法;人間の解放と民衆の教育 ほか)

著者等紹介

ランシエール,ジャック[ランシエール,ジャック] [Ranci`ere,Jacques]
1940年、アルジェに生まれる。パリ第8大学哲学科名誉教授。1965年、師のL.アルチュセールによる編著『資本論を読む』に参加するが、やがて決別。1975年から85年まで、J.ボレイユ、A.ファルジュ、G.フレスらとともに、雑誌『論理的叛乱』を牽引。現在に至るまで、労働者の解放や知性の平等を主題に、政治と芸術をめぐる独自の哲学を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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takao

1
説明なしで独力で学習できる。 2021/02/09

ねぎとろ

0
ジャコトのほとんど近代への反動ともいうべき教育論がしかし、劣等なものを駆逐するはずの近代教育学が不平等の劣情を広めていく矛盾を鋭く突いていて、現代リベラル問題への批評のようも読める。ただ、第5章を読むと、ジャコトの「解放」は共産主義のような一瞬の奇跡としてしか存在しえないものにも見える。そこが物悲しいが。言語と観念の思想史を扱ったような第四章は全然わからんかった。ハッキングの言語本を読み直しかな。それにしてもランシエールの描くジャコトはほとんど天才か異星人のように見える。実際のところどうなんだろ。2021/01/01

オオタコウイチロウ

0
抜粋 無知な試験官の術とは、「受験者を具体的な対象物、書物に書いてある文章や単語、自分の五感で確かめられるモノに連れ戻すことなのだ」。(50頁) 修辞の原理は戦争である。そこでは理解を求めるのではなく、ただ敵対する意志を消滅させようとするばかりだ。(126頁) 彼にとって価値のある道徳とは、話したり書いたりする行為をつかさどる道徳、何かを伝達しようとするという道徳であり、一人の知的主体が言わんとすることを理解することのできるもう一人の知的主体として他者を認識するという道徳なのである。(201頁) 2020/12/30

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