出版社内容情報
19世紀末から20世紀への転換期、ニーチェの思想はロシアから日本へ、さらに中国や朝鮮へと伝わり、西洋帝国主義やアジア旧社会からの自立・独立を望む知識人層に受容され、支持された。高山樗牛や浮田和民、梁啓超や魯迅、朝鮮の若き思想家たちは、当時先端の進化論や道徳理論と対峙しつついかにニーチェを読み、精神の革命を夢見たか? 東アジア近代に新たな発見をもたらす、韓国発の出色の受容史。
内容説明
19世紀末から20世紀への転換期、ニーチェの思想はロシアから日本へ、さらに中国や朝鮮へと伝わり、西洋帝国主義やアジア旧社会からの自立・独立を望む知識人層に受容され、支持された。高山樗牛や浮田和民、梁啓超や魯迅、朝鮮の若き思想家たちは、当時先端の進化論や道徳理論と対峙しつついかにニーチェを読み、精神の革命を夢見たか?東アジア近代に新たな発見をもたらす、韓国発の出色の受容史。
目次
第1章 十九世紀末ロシアの思想地形図とニコライ・グロットのニーチェおよびトルストイ解釈(文俊一)
第2章 小西増太郎のニーチェおよびトルストイ受容と日本精神史的意味(趙晟桓)
第3章 高山樗牛「美的生活を論ず」とニーチェ思想(岩脇リーベル豊美)
第4章 浮田和民の愛己/愛他解釈と倫理的帝国主義論(柳芝娥)
第5章 梁啓超の社会進化論とニーチェ思想(金賢珠)
第6章 魯迅と沈従文のニーチェ解釈―一九二〇年代の文学経典化とニーチェの中国化を中心に(高建惠)
第7章 一九一〇年代、植民地朝鮮におけるニーチェ思想の受容―『学之光』を中心に(金正鉉)