出版社内容情報
世界は暴力に満ちている。多様な形態をとって表出する暴力にわたしたちはどう対峙しうるだろうか。精神分析論、翻訳論、パンデミック危機に伴う暴力を剔出し、社会的承認論、ケアと贈与、サッカーと市民社会をめぐる考察から共同体と暴力との関係を問い直す。そして、大テロル期ソ連、戦間期ベルリン、北アイルランド紛争時代の文学を読み解き、暴力の根源に迫る。現代社会の喫緊の課題を考える手引き書。
内容説明
暴力に抗うために、それについて語り続けなければならない。精神分析論、翻訳論、パンデミック危機に伴う暴力を剔出し、社会的承認論、ケアと贈与、サッカーと市民社会をめぐる考察から共同体と暴力との関係を問い直すとともに、大テロル期ソ連、戦間期ベルリン、北アイルランド紛争時代の文学を通じて暴力の根源に迫る。現代社会の喫緊の課題を考える手引き書。
目次
第1部 暴力の根源を探る(性差と暴力―精神分析からのUrsprungへの問い;暴力の場としての翻訳―フランツ・ローゼンツヴァイクの翻訳論について;パンデミックとミメーシス的暴力)
第2部 暴力との対峙(社会的承認論のアクチュアリティ―制度化された暴力への抵抗の(不)可能性
ドイツの市民社会と文明化の過程―政治と暴力の表象空間としてのサッカー
ケアにおける贈与と暴力)
第3部 暴力の記述を読み解く(恐怖とムウサの時間―テロルをめぐるマンデリシタームとアフマートワの詩、およびそのダンテ的いコンテクスト;戦間期ベルリンのメールヒェン―ユーリウス・ベルストル『ベルリン・シュレージェン駅』に描かれた暴力;暴力と詩的表象―シェイマス・ヒーニーと北アイルランド紛争)
著者等紹介
岡本和子[オカモトカズコ]
1974年生まれ。明治大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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