内容説明
宗教改革および啓蒙主義の時代における思想と信仰のドラマを、ルター、ベーメ、シュッツ、トマジウス、レッシング、シラー、ゲンツらの例に即して追究。比較史的方法と複眼的視角により、複雑で曲折にみたち思想的営為、ドイツ民族文化の形成過程を捉え、ヨーロッパ像の深化を促す、成瀬思想史学の集成。
目次
1 宗教改革と敬虔主義(宗教改革の本質;ルターと国家権力;17世紀ドイツの信仰と思想;敬虔主義の歴史的意義)
2 啓蒙主義と信仰(初期啓蒙主義における理性と信仰-クリスティアン・トマジウスの哲学・倫理思想をめぐって;ドイツ啓蒙主義のルター観-レッシングの場合)
3 啓蒙主義と革命(シラーにおける自由の理念と国民意識;シラーとフランス革命;ゲンツの反革命思想;ドイツ「民族文化」形成についての一考察)