出版社内容情報
自伝三部作の最終巻。H.ブロッホ,ムージルらを初め有名無名の人との出会い,結婚,母の死。自己形成史と30年代ヨーロッパ,黄昏のウィーンの肖像を鮮明に描く。
内容説明
1930年ヨーロッパを象徴する「黄昏のヴィーン」の肖像を鮮明に描き出すとともに、同時代の歴史を自己形成の歴史に統合し、ライフワーク『群衆と権力』成立の経緯を浮き彫りにする。
目次
第1部 結婚式
第2部 ゾンネ博士
第3部 偶然
第4部 グリンツィング
第5部 懇願
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
syaori
63
自伝的三部作の最終巻。ナチスの足音迫る黄昏のヴィーンを舞台に、ムージルなどの芸術家たちとの交流や『眩暈』の出版、母の死などが語られます。作者が人間として作家としての基盤を確立してゆく過程を語るこの三部作を通して感じるのは、彼がいかに仮借なく世界を見、「嫌悪すべきもの」「分析できないような」ものも含めてそれを愛したかということ。「人はおのれが触れたものを携えて行く」との言葉のとおり、ここには彼が触れた世界が「何ひとつ否定され」ずにあって、様々に獲得された志操が結晶されていて、最後は胸がいっぱいになりました。2021/12/21
PETE
1
自伝というより、当時のウィーン知識人交友記録。著者も含めてこれだけ人と会って話をしていて、いつみんな自分の仕事をして、読むべき本を読んでいたのだろう。2024/11/18
putisiyante
0
救われた舌、耳の中の炬火、話すこと、聞くこと、見ること、伝記3部作の3部めの作品。有名人が多数出てくる。伝記だけあって、いろんな事について考えさせられる。ドイツ語は、音楽。日本語は、絵だとつくづく思った。2010/12/24
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