内容説明
宗教改革の余波のもと、新旧両派間の激しい政治対立が続いた十七世紀、迫害や狂信を徹底批判し、信教の自由を擁護することで啓蒙の世紀に先駆けた思想家ベール。その全貌を示して完結した『ピエール・ベール著作集』の時代背景にさらなる光をあて、同時代の代表的論客メルラ、パーツ、ジュリューらの歴史的文書および、ベール執筆と見なされる匿名著作を初めて邦訳・解説する基礎文献。
目次
主権者絶対権力論―苦しめられるフランス改革派教会への教え、慰め、弁明たらしめんがために(一六八五年八月)(主権者たちの絶対的権力をめぐる問題の所在;第一の証拠、聖書の一般的格率から引き出すもの;第二の証拠、福音の特殊な格率から引き出すもの ほか)
H・V・P氏からB氏への手紙。イギリスの最近の騒動について―支配的宗教に随わぬ者への寛容を語る(一六八五年十月)
バビロン捕囚のもとに呻吟するフランスの信徒に宛てた牧会書簡―抄(一六八六‐八九年)(主権者の権力、その起源と限界について(第三年度第十六信、一六八九年四月十五日付より)
つづき、主権者の権力と人民の権利について、プロテスタントを正しとするために(第三年度第十七信、一六八九年五月一日付より)
オランイェ公とイギリス国民を正しとす(第三年度第十八信、一六八九年五月十五日付より))
亡命者への大事な忠告、フランスへの近き帰国について―或る亡命者への一六九〇年のお年玉としてCLAAPDP氏著(一六九〇年四月)(諷刺文書;反乱文書;ヴァルドー派の侵寇についての考察)
著者等紹介
野沢協[ノザワキョウ]
1930年鎌倉市に生まれる。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学教授、駒沢大学教授を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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