内容説明
ベールの時代の政治・神学的言説を一望する『関連資料集』補巻。ロック『寛容についての手紙』、プーフェンドルフ『市民生活との関係におけるキリスト教論』(本邦初訳)、ノート『講話二篇』(同)とそれらの周辺テクストという、イギリス、ドイツ、オランダ発の重要文献を収める本書は、当時展開されたヨーロッパ規模の寛容論の全容を明るみに出す。本資料集を振り返る「訳者あとがき」付。
目次
1 ジョン・ロック『寛容書簡』ラテン語版(ハウダ、一六八九年)関係(アンリ・バナージュ・ド・ボーヴァルによる紹介(学芸新聞『学芸著作史』の一六八九年九月号、記事二)
ジャン・ル・クレールによる紹介(学芸新聞『古今東西文庫』の一六八九年十二月号、記事十四)
ジョン・ロック『寛容についての手紙』(ロッテルダムで一七一〇年に出版されたフランス語版ロック著作集に収められた『寛容書簡』の仏訳))
2 ザームエル・プーフェンドルフ『キリスト教と市民生活の関係』(ストックホルム、一六八七年)の仏訳『市民生活との関係におけるキリスト教論』(ユトレヒト、一六九〇年)
3 ゲラルト・ノートの二講話関係(ジャン・ル・クレールによる『主権者の権力についての講話』の紹介(学芸新聞『精撰文庫』の一七〇五年、第七巻、記事六、第四節)
ジャン・ル・クレールによる『良心の自由についての講話』の紹介(学芸新聞『精撰文庫』の一七〇七年、第十一巻、記事七の後半)
ゲラルト・ノート『講話二篇―主権者の権力について、および、良心の自由について』、ジャン・バルベラックによる仏訳(アムステルダム、一七〇七年))
著者等紹介
野沢協[ノザワキョウ]
1930年鎌倉市に生まれる。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学教授、駒沢大学教授を務める。主な訳書:P.アザール『ヨーロッパ精神の危機』(第9回クローデル賞)、A.リシュタンベルジェ『十八世紀社会主義』(第19回日本翻訳文化賞)、『ピエール・ベール著作集全8巻・補巻1』(全巻個人訳、第2回日仏翻訳文学賞・第34回日本翻訳文化賞)(以上の翻訳書は、法政大学出版局刊)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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