眩暈(めまい) (改装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 510p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588120206
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

内容説明

万巻の書に埋もれた一東洋学者が非人間的な群衆世界の渦に巻き込まれ、発狂して自己と書庫とを破壊するにいたる異常の物語。「群衆と権力」をテーマに錯綜する狂気と錯乱の風景を描き、解し難く浅薄な「現代」を深く烈しく抉り、トーマス・マンにその氾濫する想像力と構想筆致を驚嘆させた、二十世紀ドイツ文学を代表する傑作。ノーベル賞作家の長編小説。

著者等紹介

カネッティ,エリアス[カネッティ,エリアス] [Canetti,Elias]
1905年、ブルガリアのスパニオル(15世紀にスペインを追われたユダヤ人の子孫)の家庭に生まれ、少年時代をヨーロッパ各地で過ごし、ヴィーン大学で化学を専攻、のちイギリスに亡命し、群衆・権力・死・変身をテーマにした著作をドイツ語で発表。1994年8月14日チューリッヒで死去、89歳。1981年度ノーベル文学賞受賞

池内紀[イケウチオサム]
1940年兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者、エッセイスト。主な著書に、『海山のあいだ』(講談社エッセイ賞)、『恩地孝四郎』(読売文学賞)など、訳書に、ゲーテ『ファウスト』(毎日出版文化賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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うんとこしょ

5
ドン・キホーテのように該博な知識を基に肥大化させた妄想によってあらゆることを無意識に自己完結的に理解しようとする、およそ客観的な視点がなく他者認識のない「世界なき頭脳」を持つ東洋学者の主人公キーンが、かれの財産をめぐり群がる常軌を逸した「頭脳なき世界」観の持ち主である妻のテレーゼや傴僂男のフィッシェルレなどの有象無象たちの創り上げる群衆世界に巻き込まれた果てに、発狂し、「頭脳のなかの世界」へと逃げ迷い込み己自身ととも膨大な蔵書と心中するという粗筋だが、とにかく凄まじいのひと言に尽きる小説だと思う。2015/11/17

→0!P!

1
メモ ・書店を巡って優越感を得る ・宮廷図書館を名乗る ・女に警戒心を抱く ・傴僂フィッシェルレと相席、チェスのために女房をけしかける、紙幣目当てに襲われる、拾得物の謝礼は1割、弟子にする、瘤をとって金に変えたい、質屋から本を救い出す、本を売りつける会社(小人、ボタン嫌う盲人、行商人、75%下水処理)、青い下着と上着の仕立て、2023/01/16

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