内容説明
万巻の書に埋もれた一東洋学者が非人間的な群衆世界の渦に巻き込まれ、発狂して自己と書庫とを破壊するにいたる異常の物語。「群衆と権力」をテーマに錯綜する狂気と錯乱の風景を描き、解し難く浅薄な「現代」を深く烈しく抉り、トーマス・マンにその氾濫する想像力と構想筆致を驚嘆させた、二十世紀ドイツ文学を代表する傑作。ノーベル賞作家の長編小説。
著者等紹介
カネッティ,エリアス[カネッティ,エリアス] [Canetti,Elias]
1905年、ブルガリアのスパニオル(15世紀にスペインを追われたユダヤ人の子孫)の家庭に生まれ、少年時代をヨーロッパ各地で過ごし、ヴィーン大学で化学を専攻、のちイギリスに亡命し、群衆・権力・死・変身をテーマにした著作をドイツ語で発表。1994年8月14日チューリッヒで死去、89歳。1981年度ノーベル文学賞受賞
池内紀[イケウチオサム]
1940年兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者、エッセイスト。主な著書に、『海山のあいだ』(講談社エッセイ賞)、『恩地孝四郎』(読売文学賞)など、訳書に、ゲーテ『ファウスト』(毎日出版文化賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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