出版社内容情報
●内容紹介(版元ドットコムより)
古代都市の制度的自壊を超えて、都鄙の全面的な流通の自生から生み出されてくる中世都市と都市経験の系譜。中世の散歩人は、世界認識の身体性、特に滅びの位相を芯とする時間性、形而下の世界を超えたコスモロジーに世界の意味を見出そうとする形而上性、をその特性とした。彼らが歩いた中世的界隈と、〈見える・裡なる〉都市のコスモロジーを記号論的に捉え、〈中世〉とは何かに迫る。
内容説明
諸国一見僧や京童、歩き神に誘われた人々が、遍歴・道行・往来した“中世的界隈”を透視し、生活の聖化と都市の形而上化を生む中世的コスモロジーの時空構造を問う。
目次
われわれの裡なる中世を覚醒すべきこと
第1部 中世的定位(中世都市の脱・都市化‐形而上化;定位ペルソナの実念化;代替都市としての定位コスモロジー)
第2部 中世的界隈(都市の死生;古代都市の死;都鄙の観念化 ほか)
第3部 生活の聖化(戸籍の弛緩と形而上の都市世界;ろばと京童と都市祝祭;遁世からの帰還―市の聖たち)
結び 記号人としての普遍的中世人
著者等紹介
前野佳彦[マエノヨシヒコ]
1953年福岡県生まれ。74年東京大学法学部中退、79年同大学院人文科学研究科修士課程修了、80~84年シュトゥットガルト大学・ロンドン大学付属ワールブルク研究所に留学。84年シュトゥットガルト大学哲学部博士学位(Dr.phil.)取得。現在、“文化記号塾”主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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