叢書・ウニベルシタス 場所を消費する （新装版）

アーリ，ジョン【著】〈Ｕｒｒｙ，Ｊｏｈｎ〉/吉原 直樹/大澤 善信【監訳】/武田 篤志/松本 行真/齋藤 綾美/末良 哲/高橋 雅也【訳】

法政大学出版局（2012/09発売）

• サイズ B6判／ページ数 393,／高さ 20cm
• 商品コード 9784588099588
• NDC分類 361.04
• Cコード C1333

目次

１　社会と空間（場所の消費における時間と空間；寄生体としての社会学―その短所と長所；集合的行為と新マルクス主義―批判的分析；社会、空間、ローカリティ）
２　リストラクチュアリングとサービス（農村のリストラクチュアリング；資本主義的生産、科学的管理、サービス階級；英国は史上初の「脱工業社会」か？）
３　消費、場所、アイデンティティ（ツーリズムの消費；ツーリズム、旅行、近代的主体；地域文化の再解釈；ツーリズム、ヨーロッパ、アイデンティティ）
４　自然の消費（観光のまなざしと環境；湖水地方の形成；社会的アイデンティティ、レジャー、田園）

著者等紹介

アーリ，ジョン［アーリ，ジョン］［Ｕｒｒｙ，Ｊｏｈｎ］
１９４６年に生まれる。ケンブリッジ大学で経済学を専攻し、その後、社会学で博士号を取得する。１９７０年からランカスター大学で講師・助教授を歴任し、１９８５年以降は同大学社会学科の主任教授を務めている

吉原直樹［ヨシハラナオキ］
１９４８年、徳島県に生まれる。１９７２年、慶應義塾大学経済学部卒業。１９７７年、慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。立命館大学助教授、神奈川大学教授、東北大学大学院文学研究科教授を経て、大妻女子大学社会情報学部教授、東北大学名誉教授

大澤善信［オオサワゼンシン］
１９５３年、福井県に生まれる。１９７８年、中央大学法学部卒業。１９８６年、中央大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。中央大学講師、金沢大学教育学部教授を経て、関東学院大学文学部教授

武田篤志［タケダアツシ］
鹿児島国際大学福祉社会学部専任講師

松本行真［マツモトミチマサ］
福島工業高等専門学校コミュニケーション情報学科准教授（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[壱萬参仟縁]

観光地もご多聞に漏れず消費の対象だ。「時間の浪費は金銭の浪費」（１１ページ）。この言葉も本質を突いている。惰性で過ごす時間は人生にはない。人生は意外と短い。社会学的な問題は、経済構造における変容が生活にどの程度まで影響を与えているか（１９５ページ）。この問いも重要であろう。本著でも、社会や世界における位置を、史的にも地理的にも監視し、評価し、社会を省察する、再帰的近代化（Lash1991)を指摘している（２３８ページ）。「脱組織資本主義」（２４3ページ）は観光の終焉を内包するという。消費の本義が問われる。

2012/10/31

[SQT]

忙しくてご無沙汰でしたが、久しぶりに学術書を読めました。途中でゲーム理論の話で一章まるまる使ったりしていて、構成がわけわからんと思いましたが、囚人のジレンマ状態だかなんだかになっても、そのゲームが繰り返し行われると、ゲーム参加者はそれを学習して協調行動をとるという話、これはポストモダンのツーリズムを読み解く大きなヒントになっているのですね。マス・ツーリズムによって、位置財たる観光地は価値を失う(一度評判になった場所はやがて「消費」され、月並みなものになる)ものですが、そのようなまなざしが向けられる一方で、

2017/08/27