内容説明
ソルボンヌで二つの講義の、「死と時間」、「神と存在-神-学」)を復元、ヘーゲル、ハイデガーを綿密に読解し、ベルクソン、ブロッホらに新たな論考を加える講義録。カント、ヘーゲル、ベルクソン、ハイデガー、ブロッセ、セルバンテス、デカルトらのテクスト解読を通じての、思考発酵のドキュメント。
目次
死と時間(最初の問いかけ;私たちは死について何を知っているか;他者の死と私の死;避けることのできない道―ハイデガー;現存在の分析論;現存在と死;死と現存在の全体性;時間の起源としての死に臨む存在;死、不安、恐れ;死を起点として思考された時間;ハイデガーのこちら側―ベルクソン;根底的な問い―ハイデガーに対するカント;カント読解;いかにして虚無を思考するか;ヘーゲルの回答―『大論理学』;『大論理学』読解;『大論理学』から『精神現象学』へ;『精神現象学』読解;死という擾乱―ヘーゲルからフィンクへ;死についての別様の思考―ブロッホを起点として;ブロッホ読解;時間を起点として死を思考すること;結論として―さらに問いかけること)
神と存在‐神‐学(ハイデガーから始める;存在と意味;存在と世界;倫理を起点として神を思考すること;“同”と“他”;主体―客体の相関関係;主体性の問題;カントと超越的理想;“語ること”としての意味;倫理的主体性;超越―偶像崇拝と世俗化;ドン・キホーテ、呪縛と飢え;無―起源性としての主体性;自由と責任;存在論からの出口としての倫理的関係;責任の常軌―逸脱;“語ること”の真摯さ;“無限者”の栄光と証し;意識から予言へ;不眠を称えて;経験の外へ―デカルト的な無限者の観念;「不在と化すほどに超越的な」神)
著者等紹介
レヴィナス,エマニュエル[レヴィナス,エマニュエル][L´evinas,Emmanuel]
1906年リトアニアに生まれる。1923年から30年までフランスのストラスブール大学で哲学を学ぶ。この間、1928年から29年にかけてドイツのフライブルクに滞在、フッサールおよびハイデガーの下で現象学を研究。1930年フランスに帰化、第二次大戦中はナチの捕虜収容所にフランス解放まで抑留される。戦後、ポワチエ大学、パリ・ナンテール大学、ソルボンヌ大学教授を歴任。タルムード研究に取り組む一方、ハイデガー哲学との対決を通して倫理にもとづく独自の哲学を展開
合田正人[ゴウダマサト]
1957年生まれ。一橋大学社会学部卒業、東京都立大学大学院博士課程中退、同大学人文学部助教授を経て、明治大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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