出版社内容情報
イロニーという逆説的言語発想法が現代の言葉あるいは人間の生の問題といかに深く関わっているか。トーマス・マン,カフカらの思考と言語表現を分析し明らかにする。
内容説明
イロニーという言語発想法に、人間の自己意識ないし正負の自己アイデンティティーがいかに密接に関わっているか。シュレーゲル、トーマス・マン、カフカ、キルケゴールらの思考と言語表現を鋭利に分析し明らかにする。ゲオルク・ビュヒナー賞受賞。
目次
第1章 ロマン主義的イロニーの実相
第2章 イロニカー(反語家)たち
第3章 無への修練
第4章 純粋イロニー
第5章 自己意識とイロニー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
7
トーマス・マンのエロス的イロニーについて知りたくて手に取ったが、この著者にとってはマンのイロニーは邪道らしい。ソクラテスとフィヒテに鼓舞されたF・シュレーゲルはロマン主義的イロニー概念を構想したが、自己肯定のため浮遊する(schweben)する貴族的な戯れに堕した。この後継者がマン。これに対してソクラテス的伝統を引き継ぐローベルト・ヴァルザーやカフカ、キルケゴールがいる。前者は自己意識に留まり続ける。後者は不自由に「諾」と答えることで自己否定から出発し、否定がさらに否定の運動を起こし狭い自己意識を突破する2026/06/21




