出版社内容情報
男性優位社会によってその地位を追われた女性医療家と,衛生問題の対象に仕立てられた女性たち…。1970年代アメリカの女性解放運動の開始を告げる時代の証言。
内容説明
西欧の歴史において医療の実践者として活躍してきた女性が、自立した医療家の地位から1970年現在の補助的医療労働者の地位に下落してしまうまでの過程を描き出した『魔女・産婆・看護婦』、および19世紀アメリカにおいて男性社会によって医療や衛生問題の対象に仕立てられた女性を調査し論じた『女のやまい』を併載。1960年代の公民権運動や反戦運動につづくアメリカの女性解放運動の草創期に、差別を身をもって体験した世代のパイオニアによって真摯に物語られた啓蒙の書であり、女性解放運動の闘争開始の合図を告げた時代の証言の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケケ内
3
歴史学の本かと思い手にとってみれば、全編に渡り非常に強いフェミニズムの価値観を読ませられることになった。1973年にフェミニスト・プレスから出版されたものを訳したということで現在とは考え方や背景が異なる面が多々あった。歴史学としてもフェミニズムとしてもお勧めはしかねる。可能性として、当時の背景とそれに伴う著者の考えを理解するという点では期待できるかもしれない。2014/10/20
桜海
1
やっっと読みきりました!!長かった。最初の魔女狩りのところには興味があったので、結構スラスラと読めたのですが、後半のアメリカの話になってから興味がなくなり、読むのが辛くなりましたw2015/07/14
Johannes
1
本書は歴史学の本ではなく、もともとは1970年代の女性解放運動に用いられたアジテーションのための本です。そのため、初めから終わりまで(特に前半部)強いフェミニズムに貫かれており、まずイデオロギーありきなので議論もしばしばかなり大雑把で、ウンザリして途中で読むのをやめようかと何度も思いました。ただ、そういうものだと思って読めば、描かれている歴史そのものは実に面白いものです。2013/06/20
えすてい
0
今となってはあまりに「荒唐無稽すぎる」当時の医学の常識が、当時の先進国であり新興国でもあったアメリカで公然とまかり通っていた。医学が科学として急速に発展したのは、ごく最近のことなのかもしれない。2016/11/08